来月に迫った参院選と世界連邦?結びつかないとお思いの事でしょう。しばしお付き合い願えれば幸いです。
ロシアのウクライナ侵攻はその残虐行為がSNSにより世界中に拡散され、人々の涙を誘っています。フィンランドとスウェーデンは急遽NATOへの加盟申請をしました。ウクライナの惨状を見て「明日は我が身」と考えたのです。
先の国連安全保障理事会における「ウクライナ侵攻撤退決議」は常任理事国であるロシア1国の反対で葬られました。国連憲章第2条4項は他国への武力侵攻を戒めており、その違反国を諫める立場のロシアが自ら犯したのです。安保理常任理事国が持つ拒否権の弊害について、世界のあちこちで声が上がりました。
世界連邦主義者は長い間「国連改革」を目指して来ました。その手始めはあの拒否権を無くすことです。安保理が多数決で政策決定できれば、世界中の殆どの紛争を収められるでしょう。しかしその前に拒否権を持つ国がこの提案自体をその拒否権で葬ることは必定です。このジレンマにより長い間、国連改革は進まなかったのです。
今回のロシアの暴挙を機に方針転換をすべきだと思います。国連はそのままに、第3の世界システムを構築するのです。国際連盟、国際連合に次ぐもので、仮に世界連邦としましょう。国際連盟から国際連合に変わる時も連盟を無くしてから連合を作ったのではありません。両者は約半年の間併存したのです。今回も国連総会の場で世界連邦を設立し、国連との併存期間を経てから世界連邦に移行するべきです。国連で既得権を持つ大国はすぐには世界連邦に来ないでしょう。しかしやがて国連がもぬけの殻に成っていけば移らざるを得ません。
我が国は既に世界連邦推進の立場です。「えっ?」と思う方が多いことでしょう。2005年8月に衆議院は「国連創設及び我が国の終戦・被爆60周年に当たり更なる国際平和構築への貢献を誓約する決議」の中で世界連邦実現を目指すと明記しています。更に16年5月に参議院は「我が国の国連加盟60周年にあたり更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」の中で世界連邦実現を目指すと明記しています。
この二つの国会決議に本気で取り組む政党はどこでしょうか。自民・公明ではないでしょう。彼らは軍備倍増、反撃能力(敵基地・司令部攻撃能力)整備、非常事態宣言の憲法追加、憲法9条への自衛隊追記を目指しており、我が国を米国と一緒になって戦える国にしようとしています。武器を多く持てば戦いへのハードルが下がるのが人の性であり、世界連邦の目指す方向とは真逆です。また維新や国民民主でもないと思います。彼らの多くの政策は自民・公明のそれに近く、ゆ党とも言うべきものです。残るは立民・共産・れいわ・社民の4党です。彼等に期待しましょう。世界連邦とは不戦を誓った我が国の平和憲法がそのまま生きるシステムなのです。
17年に国連総会で核兵器禁止条約が可決されました。この条約はその後発効し、来週には第1回締約国会議が開催される運びになりました。我が国の政府が参加しないのは残念ですが、実に画期的なことです。世界連邦の実現は「理想論」と切り捨てられて来ました。しかし国連総会の場に持ち込み、多数決で可決することは最早夢ではありません。その際は我が国が先頭に立ってリードして行こうではありませんか。
参院選は来週告示されます。昨年の衆院選で立民・共産は議席を減らしました。「立憲共産党」と揶揄されたのが効いたのでしょう。しかし安倍氏などの右派が牛耳る自民と平和の党公明との差も立民・共産に負けずに大きなものです。小異を捨てて大同につく政治勢力の結集は決して非難されるべきものではありません。ロシアによるウクライナ侵攻、中国の強権化、北朝鮮のミサイル発射などで我が国の世論は「軍備拡張、9条改憲、非常事態宣言の加憲もやむなし」に傾いているようです。しかしそれでは80年ほど前の繰り返しではありませんか。広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠ってください過ちは繰り返しませぬから」とあります。この夏の参院選で与党の自民・公明、ゆ党の維新・国民を伸ばせばきっと「過ちを繰り返す」ことになります。それで良いのですか。
有権者の皆さん、この度の参院選では是非とも野党の立民・共産・れいわ・社民に投票してください。宜しくお願い致します。
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