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福島第一原発汚染水の海洋投棄を阻止しよう!

2021-04-12 18:45:08 | より良き世界のために

 我が国の南極観測船宗谷が南氷洋で氷に閉ざされたのは1957年、ソ連の砕氷船オビ号に助けられました。当時8歳の私は北の空に向かって「有難うオビ号!有難うソ連!」と叫んだものです。しかしそのソ連はこの頃から北洋海域や日本海などで放射性物質や原潜などの廃棄をしていました。これが大々的に報道されたのは93年のことで、私は日本海でとれる魚介類の放射性汚染を気にする毎日でした。

 79年には米国スリーマイル島原発で炉心熔解、放射性物質大気放出事故が発生しました。当時同じ職場にいた米国人の青年は「申し訳ありません」と言いました。国を代表しての謝罪の様に聞こえたものです。86年にはソ連のチェルノブイリ原発事故が発生しました。大量に大気に放出された放射性物質は地球の自転により日本を含む北半球全域を広く汚染したのです。

 そして2011年福島第一原発事故が発生しました。直後に太平洋に大量に流出し、また大気に放出された大量の放射性物質は世界を震撼させました。86年のチェルノブイリ原発事故や93年のソ連による日本海放射能汚染報道での私と同様、世界中の人々が放射能の危険に怯えたことでしょう。私たち日本人は79年スリーマイル島原発事故での米国人青年の様に世界中の人々に対して謝罪しなければならないのです。

 福島第一原発事故は東日本大震災に伴う巨大津波が直接の原因とは言え、裏には多くの人災が隠れていました。歴代の自民党政権が作り上げた「安全神話」がその最たるものです。曰く「勤勉な日本人はスリーマイルやチェルノブイリの様な人災は起こさない」もそうですが、安倍晋三氏による人災もあります。貞観大津波以来数度の被害実績を基に、巨大津波襲来を予測して原発防潮堤の嵩上げが提案されたのは第一次安倍内閣での国会の場でした。当時の安倍氏は一顧だにせずこれを拒否しましたが、もし提案通り嵩上げをしていたらあの原発事故は防げたことでしょう。まさに人災そのものですが、安倍氏はその責任を取っていません。

 過日届いた国際環境NGO グリーンピース・ジャパンからの情報に福島第一原発事故で溜まり続ける汚染水に関する調査報告がありました。それによれば日本政府がこれまで国民と世界に向けて説明してきた汚染水の安全性に誤りがあるようです。これまでの約10年間の説明では多核種除去装置(ALPS)で除去できないのは半減期12.3年で無害なトリチウムのみとのことでした。しかし実際はそうではなく、半減期30年で極めて有害なストロンチウム90に加えて、半減期5,730年と長い炭素14も高レベルに含むと東電が初めて認めたのが昨年の8月27日でした。炭素14という核種はすべての生物に取り込まれる核種で、何世代にもわたって全世界の人々や動植物を集団被曝させ、遺伝子を傷つけるものです。

 日本政府と東京電力は放射性汚染水を希釈して太平洋に放流する方針を立て、近日中に決めようとしています。もしその通りに実施すれば世界中の人々の怨嗟を買うことになります。かつての私がそうであったように。そして日本人は世界中の人に謝らなくてはなりません。かつての米国人青年がそうしたように。それは安倍氏が目指す「美しい国日本」の姿ではないでしょう。安倍氏はかつての日本の戦争犯罪について「次世代以降には謝らせない」と言っていますが、我が国は今また謝罪しなければならない原因を新たに作ることになります。

 朝日新聞が昨年10月12日に掲載した「世論調査の質問と回答」の中に原子力発電関連項目が8つありました。因みにこの調査は層化無作為2段抽出法により選ばれた有権者3000人のうち有効回答2126人分を解析した結果です(数値は%)。以下順番に考察します。

1.「原発を利用することに賛成ですか。賛成29、反対57」反対が過半数で賛成の約2倍です。今政府は原発をベースロード電源に位置付けていますが、国民の総意に反していることになります。

2.「原発は今後どうしたらよいと思いますか。直ちにゼロにする9、近い将来ゼロにする62、ゼロにはしない21」ゼロにするが7割を超えています。

3.「原発の安全について政府の対策をどの程度信頼していますか。大いにしている2、ある程度している34、あまりしていない44、全くしていない18」肯定派36に対し否定派62です。

4.「原発は他の発電より安上がりと思いますか高くつくと思いますか。安上がり28、高くつく50」高くつくと思う人が安くつくと思う人の倍近くいます。仮に事故が無くても解体に30年、放射性廃棄物管理に10万年とすればコストは想像を絶するものになります。

5.「原発は地球温暖化の防止に役立つという意見に納得しますか。納得する28、納得しない55」納得しない人が納得する人の約2倍います。事故被害の悲惨さと子々孫々に課す負の遺産を思えば、地球温暖化防止の為とはいえ使ってはならないと言うことでしょう。

6.「東電福島第一原発の事故に対するこれまでの政府の対応を評価しますか。評価する20、評価しない67」大多数の人が評価していません。国民への隠蔽、欺瞞が多すぎます。例えば周辺の子供たちの甲状腺被害の多発を過剰なスクリーニングという屁理屈で覆い隠しています。

7.「福島第一原発にたまる汚染水から大半の放射性物質を取り除き国の基準以下に薄めた処理水を海に流すことに賛成ですか。賛成32、反対55」反対多数です。政府は高くついても代替策を考えねばなりません。

8.「この処理水を海に流すことで水産物に風評被害が出ることをどの程度感じますか、大いに感じる42、ある程度感じる44、あまり感じない9、全く感じない2」感じる派が大多数です。実はこの処理水には炭素14など、有害な放射性物質が取り切れず残ったままです。決して風評被害ではなく、実被害が出る危険性があるのです。(以上世論調査関連終わり)

 希釈して海への放流はいけません。それは風評被害ならぬ実被害を生みます。蒸発させて大気に放出してもいけません。トリチウム分離施設は既にカナダ、米国、英国には有るのです。この技術を利用させてもらって施設を作るべきでしょう。他の核種についてもALPSを改良するなど、何とかして分離しなければなりません。それまでの間は増え続ける汚染水を貯め続けるしかありません。福島第一原発の敷地の外にもタンクを増設し続けるべきでしょう。タンクの寿命が短ければ、金属とガラス等でより安全な容器を開発すべきだと思うのです。実に大変な作業ですが、それだけの過ちをわれら日本人は犯してしまったのです・・・。



1 コメント

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Unknown (Unknown)
2023-10-21 12:57:09
そう思います
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