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四氣調神大論篇 第二 第六節 訳

2009-12-29 09:48:03 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

柴崎保三著鍼灸医学大系黄帝内経素問 四氣調神大論篇

第六節

 逆春氣則少陽不生、肝氣内變。逆夏氣則太陽不長、心氣内洞。逆秋氣則太陰不収、肺氣焦滿。逆冬氣則少陰不藏、腎氣獨沈。

 注 原文には「腎気獨沈」とあるも、それは「腎気濁沈」の誤であろうと思われるので、そのように訂正して記述する。

 春氣に逆(さかろ)うときは則ち少陽生ぜず、肝氣内に變ず。夏氣に逆うときは則ち太陽長ぜず、心氣内に洞(ドウ)となる。

秋氣に逆うときは則太陰収(シュウ)せず、肺氣焦滿(ショウマン)す。

冬氣に逆うときは則ち少陰藏せず、腎気濁(にご)り沈(しづ)む。

 

東洋学術出版社素問
 逆春気則少陽不生、肝気内変。逆夏気則太陽不長、心気内洞。逆秋気則太陰不収、肺気焦満。逆冬気則少陰不蔵、腎氣独沈。
東洋学術出版社素問・腎気独沈。独り沈む――『甲乙経』では「濁り沈む」とする。滑伯仁の説「沈痼して病むのである」。

 春気に逆えば則ち少陽生ぜず、肝気内に変ず。

夏気に逆えば則ち太陽長ぜず、心気内に洞(うつろ)なり。

秋気に逆えば則ち太陰収せず、肺気焦(やつ)れ満つ。

冬気に逆らえば則ち少陰蔵せず、腎気独り沈む。

逆=さからう
少陽=①陽気の少ないこと。少陽の陽気は、太陽、陽明の陽気の多いのに及ばないので、また嫩(どん)陽ともいい、やっと明るくなった天の太陽のようであり、東方に発する昇起の一般である。陽気中の初生陽気であり、少壮活発の気象である。
太陽=②陽気のきわめて盛んなもの。
長=生長する。大きくなる。
洞=中が空の穴。中空。
太陰=経脈の名称の一つ、脾肺両経の代名詞であり、陰気旺盛の意味がある。三陰経の最も表層にあるので、「太陰を開と為す」ともいわれる。
収=収斂。ひきしまる。収穫
焦=①人の胴体を三分し、心窩より上を上焦(剣状突起の下端より上)、心窩より臍までを中焦、臍より下を下焦という。②焦とは消化のことで、この部において、食物を消化するのである。
満=みつる

少陰=経脈の名称の一つ。心腎両経の代名詞。その位置は太陰と厥陰の中間にある。陰気の初生のものである。
藏=収める、しまっておく、たくわえる

独=ひとり。
濁=にごる
沈=沈む
(明解漢和辞典・漢方医学大辞典)


 春の「生」という養生法にそむくと、陽気中の初生(うまれたばかりの)陽気であり、少壮(若くて元気の盛ん)活発の気象である少陽が発生できず、肝気(肝は春に該当され、のびやかになるの)が内にこもると、(気鬱し怒り易くなったりして、食欲が無くなる)病を生ずる。

夏の「長」という養生法にそむくと、太陽(陽気が極めて盛んであること)が生長できないで、心気(心は夏に該当され、血脈や神明(精神の働き))を内に虚(心の病は舌や汗に出てくる)させてしまう。

秋の「収」という養生法にそむくと、肺(肺は秋に該当され、陰気が旺盛になる)の代名詞である太陰がしきしめることができず、肺の気(呼吸)は上焦を脹満(咳・喘息)させてしまう。

冬の「蔵」という養生法にそむくと、腎(腎は冬に該当され、陰気の初生)である少陰の気がたくわえることができないで、腎気(耳・上古天真論参照)が濁って沈み衰弱してしまうのである。(漢方医学大字典・東洋学術出版社素問・鍼灸医学大系を参考)

 

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