おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 脈要精微論篇 第十七
第二節
夫脈者血之府也。長則氣治。短則氣病。數則煩心。大則病進。上盛則氣高。下盛則氣脹。代則氣衰。細則氣少。濇則心痛。
渾渾革至如涌泉、病進而色弊、緜緜其去如弦絶死。
語句の意味 1-2
血の府=けつのふ・脈管をさす。血が経脈中に集まっているのでこの名がある。
府=①腑(ふ)に同じ。②聚まる処を府ともいう。③気海、すなわち膻中のこと。
長=長脈
長脈=脈象の一種。脈の波動の振幅が標準的な振幅よりも長く、指に応じるのに余りがあり、真っすぐで長竿のように感じるもの。
脈が長脈でしかも緩和であれば、中焦の気が旺盛である。
長脈でしかも弦硬で、脈を押えると縄を引くような感じのあるものは、正邪が共に旺盛な実証に属し、実熱内結、熱盛風動などにみられる。
また九道の脈で陽脈である。
九道=長・短・虚・促・結・代・牢・動・細の脈象
短=短脈
短脈=脈象の一種。脈の波動の振幅が標準的な振幅よりも短く、指の応じ方も関部が比較的明らかであるのに、寸部、尺部には不足の感じがするものである。
気病であることを示しており、短でしかも力のあるものは気鬱、気滞であり、短でしかも力のないものは肺気虚、中気不足である。
數=数脈
数脈=脈象の一つ。脈の到来が急速なもので、一般には一呼吸に五回以上脈搏のあるもの。
これは熱証をさし、数で力のあるものは実熱、力のないものは虚熱である。
また浮数は表熱で沈数は裏熱である。
煩心=心煩(しんはん)に同じ。
心煩=心中が煩躁、煩悶して、胸が苦しく感じられること。
多くは内熱によってひきおこされる。
<傷寒論太陽病中69条>「傷寒五六日中風、往来寒熱し胸脇苦満、默默飲食を欲せず心煩喜嘔し或いは胸中煩して嘔せず・・・小柴胡湯を与え之を主る。」
大=大脈
大脈=だいみゃく・脈象の一種。脈が大きくしかも指いっぱいに感じられるようなものであり、振幅は平常の2倍である。
大脈でしかも力があれば邪熱実証であり、大脈で力の無いものは虚損して気が内を守ることができない証である。
上盛=人体上部の邪気が盛んなこと。
人迎の脈が浮いて盛んな脈象をいう。
人迎=①切診部位の一つ。人迎脈ともいう。結喉の両傍で頸動脈の搏動するところ。<霊枢寒熱病>「頸側の動脈は人迎なり。人迎は足の陽明なり。嬰筋の前にあり。」
旧カネボウ薬品 経絡と経穴より 人迎はアゴの下
②左手の寸口の脈の別名。<脈經>「左は人迎となし、右は気口となす。」
③経穴名。
平成薬証論 図9湯液と鍼灸の脈 図10鍼灸の六部定位の脈
気=臓腑の生理機能のこと。呼吸と主り、血の運行をコントロールし、津液を化生して運行させ、肌肉皮膚を温養するなどの機能を指して「気」と呼ぶ。
気高=呼吸の数が高くなる、呼吸が速くなる。
下盛=下部の邪が盛んなこと。尺中の脈が盛んなこと。
≪注≫「上は寸口を謂う。下は尺中を謂う。盛とは盛満を謂う。」
漢方用語大辞典
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