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黄帝内経素問 脈要精微論篇 第十七 第六節

2012-02-27 05:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

 

黄帝内経素問 脈要精微論篇 第十七

 

第六節

 

原文

 岐伯曰、反四時者、有餘爲精、不足爲消。應太過不足爲精、應不足有餘爲消。陰陽不相應病。名曰關格。

 

語句の意味

 

四時=春・夏・秋・冬の四季。

 

反四時者=脈の状態が春夏秋冬の脈と合わないもの。

 

精=人体の構成と生命活動を維持する基本物質である。

その中で、人体を構成する部分を生殖の精(先天の精)、生命活動を維持するのに必要なものを水穀の精(後天の精)という。

前者は生殖の基本物質であり子孫を繁栄する働きがある。

後者はたでず摂取する飲食の化生により、生命活動の維持と代謝に不可欠なものである。

通常、臓腑の精気が充満すれば、腎に帰蔵し、生殖機能の成熟期に当っては生殖の精に変化する。

精気がたえず消耗されると水穀の精の成生、補充をうながす。

精は生命の基礎であり、精が充足すれば生命力は強く、外界の変化に適応し病気になりにくい。

精が虚すれば生命力は減弱し、適応能力と病に対する抵抗力は減退する。

 

鍼灸医学大系より

有餘を精となし不足を消となす=精とは、つまり精気の意であり、消とは<釈名・釈言語>に「消とは削なり。減削をいうなり」とある。そこで、ここでは精気が減消されたことを意味するものであろう。

 

東洋学術出版社素問より

有餘を精となす=「有余」とは邪気の余り有ること。

「有余を精となす」とは、邪気が有余となって精気に勝っていることをいう。

不足を消となす=「不足」とは正気が不足すること。

「不足を消となす」とは、正気の不足の原因が血気の消耗欠損によることをいう。

 

消=しょう。きえる。なくなる。きえうせる。消亡。消失。消滅。けす。使う。

 

太過→不及=太過に対することばで、太過とはすぎること、不及とは足りないこと。一般には陰陽の不調和をさしていう。

<六節蔵象論>「未だ至らずして至る、此を太過という。・・・至りて至らざる、此を不及という。」

六節藏象論篇 第九 第四節 語句の意味

六節藏象論篇 第九 第四節 訳

 

鍼灸医学大系より

太過に應じて不足するを精となし=そこで本文の意味であるが、この文章は大へんややこしい、いいまわしの文章で、直訳すると「応甚だしく不足に過ぎたるを精とす」ということである。

つまり「精気が不足分よりも多くあるのを精と為す」ということである。

 

不足に應じて有餘なるを消と爲す=前句との対句の文章で、そのいいまわしも同じであるが、内容は前句とは反対のものである。直訳すれば「応有余に足らざるを消と為す」ということで、つまり「精気を補うてやらねばならぬ分量の方が、保有する量よりも多いのを消と為」ということである。

 

關格=関格・嘔吐や大小便の不通を特徴とする病気、または陰陽が共に盛んで平衡が失調すること。脈象の一つ。

  =1.病証名。小便が出ず、嘔吐が止らない病証。小便が通じないのを関、嘔吐が止らないのを格と名づける。

2.脈象。人迎と寸口の脈がともに盛んなもの。これは陰陽離決の危象である。

3.病理名。陰陽がともに盛んで、相互の平衡が失調した重症の状態をさしている。<霊枢脈度>「陰気太だ盛なれば、陽気栄すること能わず、故に関と曰う。陽気太だ盛なれば、陰気栄すること能わず、故に格と曰う。陰陽ともに盛なれば、相栄するを得ず、故に関格と曰う。関格は、期を尽くすを得ずして死す。」

 

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