ロザムンド・パイクは単なる007ボンドガール路線では終わっていない。
劇中のことであるが、彼女がそんな悪事をはたらかないよね、という目線で見てしまう。
今作『パーフェクト・ケア』においては、悪人プラス不死身なアクションの要素が加わっている。
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認知症を発症した老人の資産を管理する法定後見人が、被後見者の財産をかすめ取っていく。そればかりか、目星を付けた老人を医師と組んで病人に仕立て上げる。ここまででもドラマになるが、更なる巨悪と出会ったことから、悪者度が相乗的に加速していくのだ。
これほどの悪が栄えていいもなのか。
思い込みが入るが、典型的イギリス人の美貌から生み出される悪だくみに面食らう。
『ゴーンガール(2014年)』また『リベンジ・トラップ(2015年)』でも
一筋縄では捉えきれない人物像を演じた。
別路線の『プライベート・ウォー(2019年)』では、実在した独眼のジャーナリストを演じたが、ロザムンド・パイクゆえ、何か意表をつく出来事を起こすのでは?の目で観てしまった。
仮に彼女のような人物に、近づかれたら100パーセント罠にはまるタイプの人間、それはわたくしの事です。