僕の名前は田川真司(タガワシンジ)。30歳。
サッカー選手を目指して大学のチームに所属していた僕は、三年の時に怪我で挫折し、大学を中退。
それから8年間、東京で派遣のITエンジニアとして働ていた僕が、転職で念願の正社員になったのだけど、そこは日本ではなくドイツ。日系企業の「現地社員」という待遇だった。
入社直後、いきなり南ドイツのシュトットガルトにある日系企業の顧客先へ常駐を命じられた僕。南ドイツの地方都市は英語も殆ど通じない所だ。
英語もつたないのに、もちろんドイツ語はまったく話せない。
しかも前任者が仕事で問題を起こして会社をクビになり、業務の引継ぎも無い状態。
それでもドイツでの転職を選んだのは、元帰国子女の妻、麻友(マユ/28歳)がドイツ育ちでドイツ語が堪能ということがあったからだ。
そして今僕は、彼女との間に生まれた長男の翼(ツバサ/4歳)と3人でドイツでの生活をスタートしたばかりのところだ。
友人や知り合いどころか、会社の同僚とも離れた客先でのドイツ地方都市生活。
そんな僕の心の支えは、ブンデスリーガ「ボルシア・ドルトムント」のファンサイトを通して知り合った、「カズさん」こと、横浜在住の元バックパッカー・ミュージシャン「三浦一志」(ミウラカズシ/40歳)とのFACEBOOKでのやりとりだ。
カズさんは横浜の実家のご近所さんということもあって、すぐに仲良くなった。
カズさんはかつて、世界100カ国をギター片手に、バックパッカーとして渡り歩いた人で、海外初体験のオレにとって、カズさんの旅の話は新鮮だ。
カズさんは、学生時代にバンドでメジャーデビューをしたものの、泣かず飛ばずだったらしく、20代はバイトをしては金をため、海外の路上で流しの引き語りをする旅を繰り返していたのだそうだ。
そんなカズさんとのFacebookでのやりとりを通して、僕の「現地社員」としての初めての海外生活を、少し紹介したいと思う。
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