拝啓、カズさん。シンジです。
今週は出張でイスタンブールに来ています。
イスタンブールはヨーロッパとアジアの境界線と言いますが、はっきり言ってここはヨーロッパとは別の文化圏なのだと強く感じています。
早速ですが、今週にあったトンデモ話を聞いて下さい。
今回トルコの現地業者へ事前に、インターネット回線の引き込みを手配していたのですが、その現地業者担当であるギュドガンというエンジニアと、お客さんのオフィスで朝9時に待ち合わせをしたのに、彼が到着したのは午後1時過ぎ。
しかも頼んでいた回線がうまく引けておらず、翌日も、翌々日も同じく朝9時に待ち合わせをしたのですが、3日連続でオフィスに来たのは全て午後になってから。
彼を待っている時間、サーシャさんというお客さんのトルコ人受付女性を通して、現地業者の担当者へ電話をしてもらうと、もうオフィスを出たが渋滞につかまっていて、少し遅れるが急いでいくという内容を繰り返すばかり。
でもその現地業者のオフィスから、待ち合わせのお客さんオフィスまでは、通常なら車で30分もかからない距離で、連日片道4時間以上かかるなんてことは絶対にないんです。
おまけにその現地業者エンジニアのギュドガン氏は、回線開通後、彼達の作業範囲であるCISCOのルータ設定がうまくいかずに戸惑っていたので、こちらもただ待っているだけで次に進まないからと、「ちょっと見せてみて」と僕が切り分け作業を始めると、「オレ用事を思い出したから帰ってもいいか?」って僕に聞くんです。
「いやこれは君の会社の作業範囲だから、インターネットがつながるまでは帰ったら駄目だよ」と返事をし、僕がそのまま作業を続け、ふと後ろを振り返ると、先ほどのやりとりから5分もしないのに、もうその場にギュドガン氏の姿が無いんです。
急いでサーシャさんに、彼の携帯を鳴らしてもらったのですが、電源が切られているようでつながらず。
このままじゃせっかく出張してきているのに、自分達の仕事が終わらないので仕方なく、僕がそのまま不具合対応をして、何とかうまくつながったからよいものの、本当にアリエナイです。(調べてみたら単純な接続設定ミスでした)
今回は事前にメールのやりとりで業務範囲と納期をきちんと決めており、「まったく問題ない、もうすべての作業が終わっているから大丈夫」と言われ、トルコへのフライトチケットを発券したにもかかわらず、実際に来てみると回線は引けていない、設定はやっていない、不具合切り分けも機器設定も途中で帰ってしまうといった、トンデモナイ状態です。
これはあまりに酷いと思ったので、業者と直接契約をされているお客さんの日本人駐在員の佐田さんに、「ちゃんと対応をしないこの業者にクレームをし、機器設置費用等は払わないで下さい、業者もできれば変更することをお勧めします」と話した所、以前ドイツに駐在していたこともある佐田さんの話では、これでもこの辺の業者の中では最大手で、他は会社間での取引ができない個人業者や、さらに対応が悪い業者しかおらず、週の半分以上インターネットの回線断があるトルコでは、これが当たり前なのだとか。
「ドイツではできることでも面倒だと、"できない"と言って、対応してくれないことが多いですが、トルコではできないことでも何でも"できる"と言って、とにかく仕事を取ろうとするから、話半分で聞いておかないと駄目なんです」と、ドイツとトルコ双方で駐在経験がある佐田さんに諭されました。
作業も一通り完了し、夕食を佐田さんとご一緒することになり、日本食レストラン(トルコではドイツと違って魚をよく食べるので、日本食も安くて美味しい)へ、佐田さんの車で移動していた時のこと。
橋の手前ですごく渋滞し、2車線にもかかわらず車が4台も横に並んでおり、「ここの人達は順番を守って並ぶこともできないから、こうしていつも渋滞しちゃうんですよね、ああドイツでの生活が懐かしい」という佐田さんの言葉を聞いて、ドイツでの小さなトラブルで日々苛立っている自分が申し訳ない、という気持ちになりました。
世界の常識、日本の非常識とよく言われますが、"トルコの常識"は、僕達の知っているそれとは、かなり違うみたいです。
P.S.
写真は今回トルコで滞在したホテル近くの有名な観光地、ブルーモスクです。
平日の仕事での滞在だったので、観光はできませんでしたが、早朝にモスク前の公園を散歩しながら撮った1枚です。
イスラム圏は初めてなのですが、早朝にスピーカーから流れてくるコーランで毎朝、かなり早く目が覚めたおかげで、早朝散歩ができました。(苦笑)
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