シンジへ。
お疲れ~、カズです。
ビール祭りかあ。いいねえ。
昼飯の酒、シンジも一緒に飲んでみたらよかったのに。
"郷に入れば郷に従え"って、昔から言うしね。
まあそれでヘベレケに酔っ払って、午後働けなくなったら、それ以降は誰もシンジに酒を勧めなくなるんじゃない?
まあ社会人的言えば、ダメダメなんだろうけど。(ひょっとして人としてもダメダメか?)
実はオレも昔、旅の途中で1回だけ、ミュンヘンのオクトーバーフェストに行ったことがあるんだよ。
でっかいテントが沢山あって、バンドの伝統音楽の生演奏があって、客は特大ジョッキでたらふくビール飲んで、皆でヨッパラって最高!
夜がふける頃には、気絶するぐらいまで飲んでいる奴もいたっけ。
(シンジ的には最低か?)
知っての通りオレは歌いながら旅をしているから、バンドマン達の方に目がいくんだよ。
その時に演奏していた、チョビヒゲで吊りバンド短パンの太っちょオッサンがいたんだけれど、でっぷりした腹のくせに、妙に短パンが小さいんだよ。(それがバイエルンの伝統衣装なのかもしれないが)
そんな見た目なのに、結構シブイギター弾いて、ソウルフルな歌声なんだよ。これが。
このオッサンかっくいー(目を閉じていればだけれど)と思い、ステージの合間にそのおっさんの所へ行って、英語で「アンタ最高だな。一杯おごらせてくれ」と言ったんだよ。
ジョッキ片手に飲みながら、「オレは(元だけど)ジャパニーズ・プロフェッショナル・ミュージシャンで、歌いながら旅しているんだ」と話すと、「お前はドイツやヨーロッパの伝統音楽を知っているか?」って聞いてくるんだ。
ドイツやヨーロッパの昔の曲なんてあんまり知らないけど(80年代のジャーマンメタルのHelloweenぐらいか?)、前のステージでこのおっさん達が演っていた、80年代に流行ったユーロ・ビートの曲、「"マイケル・フォーチュナティのギブ・ミー・アップ"なら知ってるけど」と話すと、今日はもう1本ステージが残っているから、ぜひ一緒にやろうという話になって、この日最後の夜10時からのステージで1曲限定ということで、突然飛び入り参加することになったんだ。
太っちょのオッサンがドイツ語でオレのことを紹介すると、平日の夜で少しまばらになったビアホールの観客達が拍手するので、ここは「郷に入れば郷に従え」だ!と思ったんだけど、よく考えたら俺ドイツ語しゃべれないから、咄嗟にモノマネで「郷で~す。ジャパ~ン!!!」って叫んだんだ。
で、皆シーンとして、めっちゃキョトン顔。
よく考えたら、ドイツ人が郷ひろみなんて知るわけないんだけど、突然の事でめっちゃあがってたんだよね。しかもドイツ語では日本のこと「ヤーパン」って言うなんて知らなかったし。(後で知ってナルホドって感じ。汗)
でも何事も無かったかのように曲が始まって、チョビヒゲ吊りバンド短パンの太っちょオッサン達と一緒に、ギブ・ミー・アップを歌ったら大盛り上がり。
やっぱり音楽は国境を越えられる!って感じだよね。
その後はシュラーガーっていう伝統音楽や、ドイツの懐メロを数曲おっさん達が続けたんだけど、俺はもちろんそんな曲知らないから、客席最前列でビール片手に最後まで聴いて、ステージ後に「ダンケシェーン!!!」って叫んで、おっさん達と一緒にギュッと強い握手を交わして、ミュンヘンのユースホステルに帰ったんだけれど、オクトーバー・フェストと言うと、このおっさんの"チョビヒゲ"と"短パン"を今でも思い出すよ。(顔はもう思い出せないけれど。苦笑)
郷に入るか?入らぬか?は、シンジ次第だと思うけれど、俺からのアドバイスはただ1つ。
「ドイツで郷ひろみのモノマネはやめておけ」ってことだな。
それじゃあまた。
P.S.
今日の写真は、その懐かしのオクトーバー・フェストの写真だよ。
ミュンヘンの白ビールは飲みやすいから、どんどん飲んで結構酔っ払って、夜にはかなりベロベロだった気がする。
でもいくら酔っ払っていたとはいえ、「郷で~す」は無いよなあ。
(ミュージシャンとしても、人としてもダメダメだろって感じ)
これ書きながら思い出して、ちょっとへこんだ。(涙)
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