今月号は「レイ・ブラッドベリ追悼特集」。
ブラッドベリは、実はあんまり読んでいない。中学生の頃、かの名作『火星年代記』を退屈だと思ってしまったのが運の尽き。それ以来、あんまり好きじゃない作家の方に入れていた。
叙情的すぎるというか、確かに面白いのだけれど、それってSFの面白さじゃないよね的な。なので、俺にとってブラッドベリはSF作家ではないのだ。
今回、代表作2編を読み直してみたのだけれど、やっぱり、そんなに熱狂できるものではなかった。みんなが好きだから、好きにならなきゃいけないというわけでもないけれど、なんだか自分の感性に自信がなくなってくる。
オマージュ・ショートショートとしてブラッドベリにささげる作品も2編収録。これもオマージュすぎて、単品として評価できるものではない。
最近の特集の組み方としては、非常に充実した号だったと思うけれど、なんとも、もやっとする感じだった。
△「生まれ変わり」 レイ・ブラッドベリ
死んだ男の混乱と、残された女の葛藤。そして、タイトル通り。
△「ペーター・カニヌス」 レイ・ブラッドベリ
だいたい、告解という制度自体を深く理解できていないので、なんとも。
△「祝杯を前にして」 井上雅彦
ブラッドベリに捧ぐ。
○「Hey! Ever Read a Bradbury?」 新城カズマ
ネットにあふれた言葉が実体化して、最初の言葉を探し始める。
ブラッドベリ、バロウズ、そして、キュリオシティという流れがなんとも印象的。
△「霧笛」 レイ・ブラッドベリ
ブラッドベリの短編では一番有名なんじゃないかという作品。恐竜好きなんだけど、なんかひとネタ足りない感じがする。
○「歌おう、感電するほどの喜びを!」 レイ・ブラッドベリ
類人猿的にも、“おばあさん”の存在意義の研究はおもしろいわけだけれど、そっちを主題とみるべきか、愛されるロボットという方を主題とみるべきか。そういうことをグダグダ考えるから悪いのか。
○「輝きの七日間」 山本弘
連載終了。
いろいろ教訓的なエピソードが並んだ結果、優等生的に終わってしまった。最後に皮肉なオチでもあれば面白かったのにと思うのは、俺がひねくれているせいか。
-「スワロウテイル人工少女販売処」
すぐに書籍化されるらしいので、スキップ。ハヤカワ文庫買って読む。