国内はS-Fマガジンの連載を入れれば13勝7敗。海外は積読を入れれば10勝10敗。まぁ、実際には国内10勝、海外8勝。一昨年あたりから、読む量が大幅に減ったと言っている割には、思いのほか健闘しているじゃないか。
なお、たくさん読んでれば勝ちなのかとか、勝ち負けとは何事だとか、そんな苦情は受け付けません。
ランキングを見ながら思ったことは、まさに『早川さん』で言われているとおり、国内のベテランや、海外の故人が多くランクインしていて、いったいいつのランキングなのかということだ。別にそれは悪いことではないし、『早川さん』が言うように、SF市場に活気が戻ってきたことの証拠ではあるのだけれど、市場の成熟と先鋭化は表裏一体なのがこの業界。
海外YAがどうしたこうしたという記事がある割りに、ライトノベル系SFのランクインは今回ゼロだ。
海外1位の『紙の動物園』は芥川賞作家ピース又吉が推薦したこともあり、非SFファンにも充分リーチするだろうが、国内1位、2位を僅差で分けた『エピローグ』と『月世界小説』は果たして気楽な気持ちで手に取った非SFファンでも楽しめるものだろうか。
非SFファンが、最近盛り上がっているジャンルであるSF小説なるものを読んでみようと思って円城塔の『エピローグ』を読み始めたときの当惑たるや、想像するとお気の毒様としか言いようが無い。
この状況は、なんとなく80年代を思い起こさせるような……。
それも、世代別SF作家ガイドなんてものが載っているせいで、第3世代SF作家と屑SF論争の時代をチラッと思い出してしまったせいもあるのだけれど。
それにしてもこのガイド、デビュー年で分けているとのことだが、山田正紀が第3世代に入っていたり、海外作家も日本デビュー年で掲載したりしているので、世代別というにはなんだか違和感ありありな感じ。
日本での出版年で考えれば、オールディスやレムなんかも、今まさに旬の作家ということになってしまうのだろうか。
それはさておき、記事、コラムからの感想をメモ。
この表紙はやっぱり、フォースの覚醒のあのシーンなのか?
真っ先に読んだ各出版社からのお知らせは、毎年ワクワクするのだけれど、毎年だまされるからかなぁ……。『ブルーマーズ』は最終的にいつ出るんだよ東京創元社。『愛なんてセックスの書き間違い』はどこに行ったんだよ国書刊行会。
国内1位のメッセージとして、円城塔が「作者がそれまで何を書いていたのだったか忘れてしまっても構わないよう」に構成を考えたというのには笑った。そりゃ、作者が忘れるのだから、読者だって忘れるだろう。
イーガンの難易度表示にはあんまり納得してない。『順列都市』なんてわかりやすい方だと思うけど。逆に、『ディアスポラ』よりも『クロックワーク・ロケット』の方が難易度高いと思う。
円城塔の難易度表示も必要だよな。『オブ・ザ・ベースボール』が★五つで。とか考えていると、思いついた。
そうだ、ベストSFランキングにも全部に難易度つけておけばいいんだ!
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