『暗黒のメルトダウン』 ギレルモ・デル・トロ&チャック・ホーガン (ハヤカワ文庫NV)
待ちに待ったというか、ほとんど忘れかけてた『ザ・ストレイン』の続編。3部作の第2部。
なんでこんなに遅くなってしまったのかというのは、最後まで読むとわかる。これは2011年には出版できないわ。文字通りメルトダウンしてるよ!
いや、Fukushimaも吸血鬼の巣だったんだよ!(ネタバレすぎ)
科学考証はある程度無茶でも、主人公たちが科学と実証主義に従って吸血鬼を追い詰めていくというスタイルがなかなか好ましかったのだが、この第2部ではその部分がちょっと弱め。吸血鬼の正体や弱点がある程度はっきりしているので、アクションホラー小説の枠を出ない感じ。そのため、どこかで見たようなシーンが連続してしまっている。
それでも、セトラキアンの過去や、新キャラの老ルチャドールの格好よさは抜群。鼠駆除業者のフェットも相変わらず頑張っている。
主人公のはずのイーフはちょっと不発。失敗ばかりじゃないか。彼が主人公であるということは、最終的にこの悪疫に人類が打ち勝つという結末を暗示しているはずなのだが……。
しかし、世界は核の冬と闇に包まれ、紫外線を嫌う吸血鬼たちの天下となった。人類は吸血鬼に新鮮な血液を供給するだけの家畜となり下がるのか。
第3部では、イーフを中心としたCDCチームの再結成と巻き返しと、期待をいい意味で裏切る結末に期待したい。
で、ブードゥーのおばちゃんはどこ行った?
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