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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

スパイスの世界19キャラウェイ・クミン(3回シリーズその2)

2013年07月03日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 エジプトでは食後にこのクミンシードをひとつまみ口にしている光景を良く目にした。
現地人の話だと胃腸病に良く効き、口臭も防げるとのことであった。実際に我が国でも太田胃散や仁丹などの健胃錠や二日酔い防止薬などにふくまれている。主成分はクミンアルデヒド・アネトールである。中東(トルコ、レバノン、モロッコなど)の料理やインド料理には欠かせない香辛料で、熱した油にクミンシードを入れて熱し、油に香りを移して炒め物や煮物などに調理する。

 中東のアラブ諸国の食事はマトン(羊肉)や鶏肉、鳩、駱駝肉など宗教上の制約のために癖のある肉類が多いため、矯臭作用の強い香辛料が使われる。代表的な香辛料としては、比較的強い芳香を持つコリアンダー、クミンシード、ローズマリー、ガーリックなどが大量に使われている。暑い国では食欲の減退が起こり、体力を消耗させる。食欲減退の防止、また、生ものの冷蔵保存の設備や流通が悪いため、腐敗防止の目的で香辛料の需要は高い。

 更には、ヨーロッパとアジアの貿易の中継地域であるため、香辛料の貿易が発達したことも大量消費に繋がる理由といえる。短期間であったが、エジプトへ技術協力で派遣されたとき、現地人の接待で鶏ガラスープにコリアンダー、クミン、ガーリックが入り、モロヘイヤという粘りのある野菜のスープを何度も食したことがあったが、なかなかの美味で堪能したものである。(次回へ続きます)