鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

アウトリーチ(2回シリーズその1)

2013年07月25日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 アウトリーチという語は英語で、Out-reach。他動詞で(・・・の)先まで達する。外まで広がる。(・・・を)越える。この他に、広げる、さしのべるの意味がある。最近、生活保護世帯、高齢者世帯、障害者世帯を対象とした社会福祉活動等に盛んに使われるようになった。これらの活動は、市・区町村等の役所が庁舎を構え、デスクに座って、申請者対応をしさえすれば、業務がこと足りるとした待ちの姿勢が続いてきた時代は終わり、積極的に庁舎から外に出て、申請者以外の隠れた対象者を捜し出し、適切な支援を行う業務について使う場合が多い。

 大変結構な状況を高く評価する一人であるが、日本語では名詞として使われる。この用語が使われる背景は、我が国の行政が縦割り型で、各省庁間の縄張り意識が強く、省庁をまたぐ事案については、対処が遅れるか、対応が難しいため、その部分を如何に対処すべきであるかの議論が高まっているからである。

 通常は各省庁にまたがる事案は総務庁の担当となる。総務庁は結局の所、専門分野別に各省庁に振り分けている司令塔に過ぎず、専門家を抱えているわけではない。しかし、各省庁の所掌する事務は規則や施行令等で規定されており、規定されたもの以外は担当する部署はない。従って、新たに発生した事案の処理は宙に浮いてしまうのが通常である。この弊害は末端の出先機関や役所にも及んでいる。一時、省庁間を横断する組織が出来るまで行ったが、なかなか日の目を見ない。

 最近では原発復旧関連の復興庁が誕生し、それまで省庁別に行ってきた財源の管理や、復興スケジュールに基づく各種対応策などの一元化が行われており、復興庁はその代表である。復興庁においても組織のメンバーといえば、関係する各省庁からの出向組が大半で、予算執行や物事の優先順位では、各省庁の縄張り争いが完全に払拭されたわけではないため、推移を見守る必要があろう。(次回へ続きます)