ツバメの雛もだいぶ大きくなりましたがえさはもっぱら親からもらいます。
自宅で犬を飼っているが、散歩の途中で、食する雑草は、胸焼けや下痢に効果があるようだ。生まれたばかりの子犬をもらってきたので、親から学ぶことがないままの状態ではあったのであるが、ちゃんと知っているのはどうしてであろうか、DNAに記憶されているとしか考えられない。
現在でもアマゾンの奥地に居住する部族が呪術などに使う植物を分析すると、特定な薬効成分を発見することもあるそうである。医薬品メーカーが未開地で植物採集をするということが示しているとおり、未だに発見されていない薬効成分を持つ植物があり、人工的には作れない薬効の不思議さを感じる。植物の薬効成分は全てが解明されたわけではなく、新たな香辛料が発見されることは否定できない。
香辛料ではないが、コカインの例がある。南米のインカ文明では、頭蓋骨の変形や、手術の後がある頭蓋骨が発見されている。麻酔薬のない時代に手術の苦しみにどのようにして耐えたのか、コカの葉が麻酔効果を持つことを知っていたようだ。近代になって米国で、この成分をコカコーラと命名した飲料に製品化されたという話は有名である。発売当初はコカの木に含まれるコカインが含まれており、しばらくして、強い麻酔効果と習慣性があるため使用を禁止された。現在ではコカインの変わりにカフェインが入っているようだ。
当時の麻酔効果がどれだけあるのかは知る由もないが、多くの愛飲家がいて、好まれる原因は、瓶の形ばかりでなく、コカコーラの味に含まれるカフェインの薬効からくるのかもしれない。
今後も新たな香辛料が発見され、特定の病に効くと分かれば、人類への貢献は計り知れない。広い意味で香辛料は、食欲を増進させるとともに、生活を豊かにするばかりではなく、食材の長期保存のための抗酸化作用や抗菌防腐作用、独特な動物臭を消す賦香作用、矯臭効果、この他に媚薬効果、鎮静作用、着色効果、麻酔効果等様々な効用を持つ。香辛料が貿易品であり、大航海時代が偶然に生まれたわけではない。香辛料の入手が生活を向上させ、香辛料文化を醸成し、東西での物流を促進したことは間違いない。(このシリーズ最終回です)