生活の中では、夜間に集中する暴走族の騒音は静かな住環境を乱す行為として問題になる場合が多くなってきた。我慢できる音のレベルがあるが、連続、断続を問わず、頻繁に発生する騒音は精神的にも弊害がある。音は波形で表すことが出来、量としても表すことが出来る。周波数であるヘルツや音圧であるデシベルという単位を用いるが、超音波や高周波などは人間の耳には聞こえない音であり、聞こえなくても体に悪い影響を与える場合がある。
富士山が世界遺産に登録され、登録されたこと自体は良いことであるが、このことによって入山者が増え、滑落事故の発生や、自然破壊が進み、持ち帰るゴミは良いとしても、大量の汚物の処理はどうするのであろうか?登山者ばかりでなく富士山周辺の観光地へも観光客が増えることが予測されている。良いことばかりではないようである。規模の拡大による弊害といえるが、最適といえる入山制限などの対策が考慮中とのことである。物事には拡大することによる影響をそのメリットとデメリットについて、予め事前に考えておくことの必要性を強く感じている。
食生活による変化も問題となっている。隣国中国の所得水準が高まり、経済的に裕福な富裕層では、食生活のレベルも高まり、大量消費に向かっているという。贅沢はいずれ成人病を引き起こし、寿命を縮める。今まで口にしなかった生の魚、中でもマグロの刺身や、寿司は大量に食されているようである。大量消費は調理にエネルギーを使い、その副産物である大量の廃棄物を発生させる。焼却によって多量の熱と炭酸ガスを生み、環境汚染が進行する。埋め立て地も量が拡大すると処理しきれなくなる。資源の枯渇によって、我が国の食品の値上がりに繋がってきているらしい。「風が吹けば桶屋が儲かる」の喩えではないが、何事も歪(いびつ)になると、どこかにその影響が出て、従来の状況を一変させる。
激しい変化は望むべくもなく、拡大のメリットよりデメリットにどうしても敏感になり、目が向くことが増えているようである。(このシリーズ最終回です)