引き続きおいしいとは思われないピラカンサを食するカワラヒワです。数羽が群がっていました。
今から5年位前であるが、突然、腕が上がらなくなった。暫く肩こりが続いていたが、湿布薬(経皮鎮痛消炎外用薬というようである)を首筋、両肩に張っていたが,一向に良くならない。多分長時間パソコンと向かい合っていたために、目から来る疲れであろうと勝手に考えていた。知り合いにそのことを話すと、五十肩だろうという。放って置けば直るよと気休めをいってくれたが、近所にオープンした整形外科があるので見て貰うことにした。
病院長は日本医科歯科大学を出た若手のドクターで、症状をいうと直ぐにレントゲン写真を撮ることになった。暫くしてから診察室に呼ばれ、高齢化の症状だろうと前置きされ、首の頸椎に変形があり、併せて軟骨の摩耗が進んでいて、神経を圧迫しているのが原因であるといわれた。頸椎の変形は手術によって削ることになるが、首には多くの神経が通っているので、敢えて手術をすることは勧めないが、低周波によるマッサージと首の牽引を続けて様子を見ることになった。
低周波は首の周りの筋肉をほぐすために電気的(一種のパルス波)刺激を与えることで、血行を促し、肩こりに効くとされている。これを15分近く行い、次ぎに顎に顔がすっぽり入る革製のハーネスを当てて、垂直方向に徐々に力を加えて牽引する。17kgの力で機械的に操作される。約10分間、強弱の牽引動作を繰り返す。最初は何とも不思議な感じがした。江戸時代に拷問で身体を引き裂く刑罰があったようで、このまま引っ張り続けられたら轆轤(ろくろ)っ首になるかも知れないと思った。機械が止まって安心したが、牽引することで縮んだ首の長さがもとに戻るのかどうか不思議であった。
赤ん坊は首が据わるまでに暫くかかるのは1本の骨ではないためかも知れない。首の構造は重たい頭を細い骨と筋(すじ)で固定しているし、前後左右に動かすことが出来、回転もする。5kg以上あるといわれる頭部を支えるには、クッションになる軟骨に相当の負担が掛かるのはよく分かる。60年も支え続けたのであるから仕方がないとの諦めもあるが、頸骨と軟骨とがうまく合わさった構造で、実に良くできていると改めて感心する。
処方が決まり、半年近く整形外科に通ったせいか、痛みも治まり、両腕も難なく上がるようになった。良くなると当初に感じた痛みは何処かに行ってしまい、病院へは行かなくなっていた。通院回数を減らしながら通えば、今回再発することはなく、同様な症状を繰りかえすことはなかったと思うが、このところ左手の薬指と小指にしびれ感が出るようになり、腕も重たく、横になると痛みを覚えるようになった。病院を換えて接骨院へ通う羽目になった。
不養生のたたりである。また、首の牽引を始めた。忘れていた轆轤っ首を思い出した。