キアシシギは身体全体を沈めることはありませんが、長い嘴を使って、浅瀬の小魚を狙っているようです。
4.バブルジェットの吐出プロセス。
瞬間的に通電すると1μs(マイクロセコンド:100万/1秒)程度で、ヒーター表面は数100℃に達し、インクは爆発的に気化する。発泡圧力は10Mpa(約100気圧)に達する。
そのプロセスはヒーターに通電し、ヒーターを加熱する→インクが発泡しバブルによって適量インク滴が押し出される→吐出する→消泡する→ノズル内にインク液が補充されるを繰り返す。気泡は10~20μsで消滅する。現行製品では1秒間に15000~24000回繰り返すことが可能である。
5.ノズルヘッド(プリントヘッド)の構造
総ノズル数は6144本あり、ノズルの寸法精度は1/10000mmである。フォトダイオードによって成型され、感光樹脂を用いている。
兎に角すごい技術であり、精密機器であることは間違いない。本体に比べ消耗品であるインクの値段が高い、との不満を持たれる方も多いが、むしろ、本体価格が安すぎるようである。既に他社では補充インクが安くなり、本体プリンター価格が高い製品も出始めているようである。消費者とすれば本体もインクも安いに越したことはないが、技術の値段が評価されれば、戯言を言っていられない時代が来る。キャノンが社会貢献に力を入れていることは既に述べたが、国宝である多くの書・絵画・浮世絵等を精密複写という手段で、企業の技術が還元されていることは、大いに評価されるべきことである。(このシリーズ最終回です)