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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

芭蕉の足跡旅行福島・宮城・岩手(2)

2014年06月15日 00時00分01秒 | 日記

(2)白河の関

  そこから国道294号線をまっすぐに走って下野と陸奥、今でいう栃木と福島の境にある「境の明神」に向かう。ちょうど12時である。少し登り道になって、20分程で「境の明神」に着く。道に接して小さな神社がある。比較的新しそうに見える大日如来も安置されていた。芭蕉たちもこの明神にお参りしている。

 白河の関は8世紀頃に廃止され、芭蕉たちが通った時にはそれが何処であったのか定かではなかったが、その100年ばかり後に、白河藩主松平定信(1758~1829年)が特定した旧白河の関跡の史跡が、294号線と並行して走る旧東山街道(義経街道)の峠にある。その石組みの史跡が残っている白河神社に12時50分に着く。白河神社自身は小さく新しいが、辺りは杉、檜の大木が立ち並んでいる。いずれにしてもこの辺りに白河の関があったのであり、古来歌枕として詠まれてきたところである。平安中期の能因法師(988~?)は

  都をば霞とともに立ちしかど秋風が吹く白河の関  能因法師

と詠い、芭蕉と同行した曽良は、陸奥守竹田大夫国行が衣服を正装に改めて通ったという故事をふまえ、

  卯の花をかざしに関の晴れ着かな  曽良

と詠んでいる。晴れ着の用意はないけれど、せめて卯の花をかざしとして関を越えようというのである。芭蕉はここに来て旅心が定まった、と述べている。まさにみちのくへの玄関である。

 我々は白河ICから須賀川ICまで行き、十念寺を訪ねることにする。