クワガタの名前は武士がかぶった甲の飾りから来ているようです。
昨日、天候は薄曇りで時々強い日差しがあった。写真撮りは数日間さぼっていたが、カメラを担いで多摩川に出かけた。徒歩5~6分の所にニセアカシア等の雑木林があり、野鳥も結構来るが、最近は、ウグイス、四十雀、ヒヨドリ、椋鳥、メジロ、ガビチョウ、カラス等が住人で被写体になってくれる。
一応鳥の声を聞き、変わった声が聞こえるか確かめながら散策する。昆虫も多く、それを餌に野鳥が集まるのであろうか?ふと見上げると見慣れない飛行をする小さいが見かけない虫が飛んで来るではないか、自分の方に向かっている物体の小さな角が見えた。羽根を勢いよく羽ばたかせ、音も聞こえた。カブトムシかと思ったが、低木のソメイヨシノの枝にとまった。近づいてみるとのこぎりクワガタであった。
子供の頃はクヌギが何本か自生していたが、今はほとんど無くなってしまった。当時はクヌギの幹から出る樹液に、カブトムシやコクワガタが集まり昆虫採集をしたものである。最近はそのような採取光景を見ることはないが、まさかクワガタがいるとは考えてもいなかった。心躍る再発見をした。
カメラをセットして写真撮影に及んだが、逆光でうまく撮れない。近くでポリエチレン袋を捜し、採取して自宅に持ち帰った。元気なクワガタであった。体長は5センチを超える大型で、早速、物置から虫かごを捜し出し、サクランボの葉を庭から取ってきて敷き詰め、写真撮影を行った。幸いしてか、孫にと購入していたカブトムシの餌が残っていたので、クワガタに与えることにした。空腹であったのか6時間も餌に抱きついたままであった。
女房も喜び、早速、孫に与えようと世話が始まった。虫かごに敷く木くずのマットを近くのスーパーへ行き、購入してきた。
甲虫類が販売対象となり、価格が付いてホームセンターに陳列されていることは誰でも知っている。自然の環境で子供が喜ぶ甲虫類の捕獲は、嬉しいもので、自然が帰ってきた気がした。開発は時として環境破壊を併発する。便利さやクリーンな環境が維持されるのは否定しないが、子供の頃に経験した昆虫と共に生活が出来る環境を復活するのも後世に残したい課題である。