鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

ブーメラン効果

2014年07月25日 00時00分01秒 | 紹介

 久しぶりに聞いた言葉である。ブーメランはオーストラリアの原住民が狩猟に使う器具で、3方向の翼を持ち、空中に向かって投げると飛行移動し、手元にかえって来るというものである。完全犯罪を狙った美術品泥棒が、博物館で盗難防止の光線をブーメランで感知させ、点検のため光線切った隙をついて盗難するという映画であった。なるほどと思わせる作品であった。

 ブーメラン効果は教育心理学上でも使われる。教育現場で、生徒の失態などを強く攻めることによって、生徒の反省を促そうとしても、逆に反発を生む原因となり、矛先が教師に向かうことがある。

 通常は経済学で使われることが多い言葉であるが、技術援助や移転などを通じて開発途上国に対して行った援助や供与することによって、その技術を基に供与国の技術が向上し、生産性を向上させ、廉価で品質も良いものが大量に生産されるようになり、地域の活性化や経済の発展に寄与する。このこと事態は大変良いことで、技術援助の目的は果たすことが出来たと評価できるが、反面、輸出先が技術を援助した国に向かうと、国内生産に影響し、輸入が拡大することになって、果ては自国の産業基盤を失墜させる。将にブーメラン効果である。経済学的には負の効果をいう場合に用いられる。

  援助や供与を全てはき出すことは通常あり得ないが、退職した専門性を持つ技術者などが相手国から指名され、高額で招聘されるなどは実態として行われている。モラルの世界でもあり、ロイヤリティの問題でもある。制限することは難しい。企業によっては退職後の条件を科し、同業への移籍など一定期間禁止してはいるが、おそらくそれも徹底できていない。まして、海外への企業への移籍は歯止めがきかないであろう。

 商標権違反や特許権侵害等訴訟まで行くと、その解決には時間と費用がかかり、現実的ではない。ブーメラン効果が起こるリスクは予め判っていることではある。今回の記事によると、中国が我が国等から受けた技術を利用して航空機や造船の分野でブーメラン効果が起こっているとのことである。その解決を悩ましい話として取り上げていた。この世界になると他の先進国も参入する意志を示すため、供与内容が入札ではないが相手国に選ばせるような参入自体も問題となっている。