鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

土用丑の日

2014年07月31日 00時00分01秒 | 紹介

 土用は立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を表す季語で、春は清明、夏は小暑、秋は寒露、冬は小寒の後それぞれ13日目に土用の入りとなる。夏場には特に暑さに負けないようにと滋養豊富なウナギを食べる習慣がある。ウナギは一年中食することが出来るが、冬にかかる前のウナギは脂がのっている。冬場になると防寒のためかウナギの皮が厚くなり、食感が悪くなるといわれている。養鰻の限界が千葉県成田市と聞いたことがあり、真実かどうかは定かでない。

 学校が休みに入り、真夏に向け、体力を付けておこうとする気持ちと「う」の字のものを食べると良いといわれていた。その一つがウナギの蒲焼きである。この他にうどん、馬、牛の肉などである。

 江戸の中期頃の話で、エレキテルの発明家であった平賀源内が、売れずに困っていた鰻屋から相談を受け、店の前に「本日丑の日」の張り紙を出すようにといわれたことが始まりだそうである。

 最近の話に、ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の減少が報じられ、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されている。鰻の養殖は、深海で捕獲するシラスウナギを育てる養鰻であるが、卵からの生育はサメの卵が餌として必要で、その確保が難しく割高になるそうである。何れは卵からの養鰻が実用化されると思うが、成長した鰻の出荷は国内では、九州、愛知、静岡などが産地で、キロ当たり4000円~4200円と高価な値段で取引される。

 シラスウナギの採取量は昨年11月から今年5月までの国内、輸入量との合計が25.7トンで、昨年同期の2倍となっている。今期の稚魚の好漁の原因は、海水温の変化が影響して、一時的な状況のようである。絶対数が減少していることには変わりがないので、今後はニホンウナギ以外の鰻が代用として輸入されるであろう。フランス料理にも鰻を使った料理があり、鰻を食するのは日本人ばかりではない。エジプトでは多くの市場で冷凍鰻を売っていた。蒲焼きにして食べるのは日本料理以外にはない。現在でも比較的安く売られている中国産蒲焼きはニホンウナギではないと推察される。

 食文化は国境を越えやすい。いずれ世界中で鰻が食されるようになると、我が国への影響も出てくるであろう。