【佐原の大祭】秋祭り
佐原の大祭は、7月の夏祭りと10月の秋祭りの年2回行われる。
町の中心を流れる小野川を挟んで東側の本宿・八坂神社の夏祭り
西側の新宿・諏訪神社の秋祭りが祭礼として行われる。
江戸時代すでに、「見物の群衆、人の山をなし」と言われるほどの
賑わいを見せていた。佐原の大祭は華麗な山車と哀愁を帯びた
佐原囃子が特徴である。平成16年には「佐原の山車行事」が
「佐原囃子」とともに国の重要無形民俗文化財に指定された。
(佐原大祭のパンフレットから抜粋)
また、佐原の大祭を含めて全国32の「山・鉾・山車行事」がユネスコ
の世界文化遺産に登録申請中である。
祭の最終日に一緒に働いた旧友達との会に出席かたがた出掛けた
が、午後3時ころまで雨が降り続き些か心が折れそうになった、やっと
雨も上がり帰りの電車までの3時間の待ち時間を使い、せわしない
祭り見物をしてきた。
「重要伝統的建造物保存地区」に指定されている古い町並みも、
東日本大震災で多くの商家がダメージを受けた、ほぼ復旧されて
きているが、未だ震災の爪痕は残っている。
この商家は江戸時代のものだ、もとは本屋さんだったが今は菓子屋
さんに変身しており驚いた。
秋祭りに繰り出される山車は14台、山車の上に乗る大人形は江戸後期
から昭和初期に、江戸・東京で活躍した人形師たちによって制作され、
現在ではこのような大木偶人形を作れる職人はいないと言われ、貴重な
文化遺産である。
行き交う山車と人。
各山車の前で踊る「手踊り」は佐原祭りの名物だ、リズムにのって若い人
たちが楽しく軽快に踊る。
「のの字廻し」重さ3~4トン、高さ7mにも及ぶ山車を、左前の車輪を軸と
して、筆の「の」の字を書くように数回転させるもので、豪快な曲曳きだ。
勇壮な「のの字廻し」は、祭りのクライマックスシーンである。
夕暮れになると各町内の山車に明りが灯り、人形の姿が浮き立ってくる。
佐原囃子の囃し手たち(下座連)の笛の音が哀愁を帯びてきた。
光を浴びて「小野道風」の人形がせりあがってきた。