降り注ぐ孤独の中で、
どんなに叫んでも、
どんなに囁いても、
本当の想いは、たった数人にさえ届かないのかも知れない、人生は。
でも…
『先生、友達が出来たョ!めっちゃ嬉しいッ!』
先日、数年間イジメにあい、不登校なども経験してきた子が、そんな報告をしてくれた。
自分とも一年半という時間の中で、どれほど語りあってきただろう?
いつも歯ぎしりをしながら震えている、そんな心をジッと見つめる日々だった。
いつの日か、
『死にたい‥』
と言っては泣いていた、そんな彼は‥
もういない。
もちろん人生だから、今後も雨の日に出逢うことは、きっとあるだろう。
でも、長く雨の日が続いても、晴れる日を信じ、歩みを止めなかった彼は、また訪れるかも知れない雨の日を、きっと乗り越えて行けるはずなのだ。
叫び…
囁き…
でも、それでも…
この大きな宇宙と歴史の中で、同じ時代に生まれ、奇跡的に出逢い、そして違う個性が少しとはいえ想いを分かち合って行けるのなら、そんな、わずかながらも共感できる尊さを、もっと我々は深く見つめ直し、感謝しなければならないのだろう。
『先生、友達が出来たョ‥』
生まれゆく想いは、いつか風の調べとなり、あのとき流した涙は、きっと星になる。
涙の数と奏でられる旋律は、夜空を飾る幾千の光となり、これから出逢うであろう人々を含め、たくさんの心を照らして行くだろう。
この一日に出逢うために想いを重ねてきた…
あふれる笑顔に出逢うために、共に歩んできたんだ。
気がつけば、
音もなく、哀しみの隣に誰かが座った。
そう、それは『希望』
いくつもの夜を越えて。