浜松市の子ども空手道場☆浜松スポーツ少年団【武道禅空手 流拳會-Rukenkai-】

~浜松市の各地区で毎日5時台から始められる子供カラテ道場
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10月4日 ◆道場長ブログ‥【拳流院 雷禅のヒトリゴト - 久遠の風 -】

2014年10月04日 | 教室の出来事


ポッカリと心に穴があくとは、このことか。


タイシンが空手クラブを卒業した。


小学校一年生から中学二年生まで、この総合空手道というフィールドを駆け抜け、シッカリとした成長の跡と実績を残したうえで、次の競技にシフトチェンジをして行くためのもの。


東海地区大会を2連覇、武道啓明賞をも受賞、週一回の稽古でも初段を取得と、その稽古への取り組みは後輩達にとっても模範となり、そのチカラは、やはり他の分野でも評価され、今回の〔卒業〕にも繋がって行った。


最後の稽古日、ボクは白脇道場へ行くための車中、タイシンとの数年間を想い、辛くなった。


優しくて‥哀しくて‥激しくて‥儚くて‥


あらゆる感情や想い出が絡みあい、そして時に弾けあう。


『寂しいナ‥行かないでくれ‥』


『いや、喜ぶべきことなんだ。彼の新しい人生を見守ろう‥』



そして、いつかタイシンが言った、こんな言葉も溢れだす‥


『技のことだけど‥お父さん、ボクは先生の言うことしか聞かないからね。ボクが負けるわけないでしょ』


出稽古をすることもなく、ボクのイメージにも、かなり近いカタチでタイシンは、その道を歩んでくれたし、ほぼ、そんな言葉通りの活躍と成長を見せてもくれた。


大人しいタイプなだけに、普段からボクと多くを語るわけでもないのだけれど、彼はボクを信じただろうし、ボクも彼を大事に想った。


御家族も素晴らしい方ばかりで、いつだってボクの戯言を、いつも笑顔で聞いてくれていたことを思いだす。


ラストへのカウントダウンの日々‥お母さんは涙ぐんでいたし、お父さんは断腸の想いと言い、タイシンはまだ複雑な気持ちだと言う。


こんなにも、この空手道場を大切にしてくれている、その想いの深さや大きさに、ボクは言葉を探せずにいた。本当に伝えたい言葉を。


解っていたようで、あらためて知ることになる、人と人を繋ぐもの。


それがあったから結果も出せたんだ‥支えられてきたからこそ仕事が出来たんだ‥


抱きしめるように、噛みしめるように、人の心を感じた瞬間。


このブログを書くことに一週間以上もかかったのは、何度か書き直したし、言葉にすれば安っぽくなるとも思ったし、意識的にブログを書くことからも逃げていたからだ。


書いてしまえば、タイシンがココに帰りづらくなるだろうとも思ったし、とりあえずだとしても、別れを受け入れるには時間が欲しいとも思ったから。



でも、それでも、人々の優しさに触れ‥


過去からも、今も、これからも‥どこか懐かしいような、どこか求めているような、久遠の風に吹かれていることをボクは知る。


それぞれの人生で、いくつもの時の輪を巡る中で、いつか重なる時もあるだろう。


そんな時は、また笑顔で逢えるとイイ。





探していたはずの、言葉にならないはずの想いを、それでも、この言葉にかえよう‥



タイシン、御家族の皆様、本当に・・本当に・・





『ありがとう』