強さとは…
本当の強さとは…いったい何だろう?
彼は7年間の空手修行の中で、大会でも、また審査会においても、一度も競技という部分において勝利をしたことがなかった。
仲間達の大きな活躍と成長を横目で見ながら、それは我々の知らないトコロで、彼は悔しい想い…辛い想いを誰よりも多くしてきたことだろう。
もちろん、そんな部分とは別に、仲間達との触れ合いの中で充実感を得ながら、共に歩いてきた部分だって大きくある。
しかし、しかしだ。
そうは言っても、それは軽々しく言えるようなものではなく、7年間、諦めることなく修行を続け、努力してきたことの現実に、ボクは言葉にならない想いを抱(いだ)き、それに打ちのめされるのだ。
彼が求めた勝利…
ボクが求めたモノ…
仲間達の願い…
人の、いくつもの想いが交わる中での、迎えることのできた一つのカタチ…
セイゴの物語。
《諦めることなく
続けられたこと》
あぁ…そうか…
彼はとっくに、
勝利者だったんだナ…。