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ハングルの14の子音字には固有の名前が付いているんですが,知ってますか。
みなさん,まさかまだ「가」のことを,カタカナの「フ」に「ト」を書いて…なんて言ってないでしょうね。
でもㄱは기윽でしたっけ,기역でしたっけ?
ほら,まさに낫 놓고‘ㄱ’자도 모른다.ですよ。
ハングルの読み方は,ふつうは子音にㅣをつけて,次に으の下にまたその子音字を書いて,その字の読み方にします。
たとえば…
ㄴ=ㄴ+ㅣ+으+ㄴ=니은
ㄹ=ㄹ+ㅣ+으+ㄹ=리을
ㅁ=ㅁ+ㅣ+으+ㅁ=미음
ㅂ=ㅂ+ㅣ+으+ㅂ=비읍
ㅇ=ㅇ+ㅣ+으+ㅇ=이응
ㅈ=ㅈ+ㅣ+으+ㅈ=지읒
ㅊ=ㅊ+ㅣ+으+ㅊ=치읓
ㅋ=ㅋ+ㅣ+으+ㅋ=키읔
ㅌ=ㅌ+ㅣ+으+ㅌ=티읕
ㅍ=ㅍ+ㅣ+으+ㅍ=피읖
ㅎ=ㅎ+ㅣ+으+ㅎ=히읗
という具合です。
しかし例外があります。
それがこのㄱ(기역),ㄷ(디귿)とㅅ(시옷)の3つです。
どうしてこんな変則的な名前になっているんでしょうか。
ハングルが訓民正音(훈민정음)として最初に制定されたとき,字母の名前は決まっていませんでした。
たとえば『ㄱは,奥歯の方から出す音で,初声としての音は,「君(군)」という字を読むときの最初の音のように…』というふうに記されていたのです。
●훈민정음〈訓民正音〉(1446)
(1)자음(17)
아음〈牙音〉 : ㄱㅋㆁ 설음〈舌音〉 : ㄷㅌㄴ
순음〈脣音〉 : ㅂㅍㅁ 치음〈齒音〉 : ㅈㅊㅅ
후음〈喉音〉 : ㆆㅎㅇ
반설음〈半舌音〉 : ㄹ
반치음〈半齒音〉 : ㅿ
(2)모음(11)
기본자〈基本字〉 : ㆍㅡㅣ
2합자〈二合字〉 : ㅗㅏㅜㅓ
3합자〈三合字〉 : ㅛㅑㅠㅕ
ハングルの字母の読み方は,1527年に崔世珍(최세진)という人が,訓蒙字會(훈몽자회)という本の中で,初めてとなえました。
崔世珍はその字母の初声と終声を漢字で表したのですが,その漢字の読みが,のちに字母を表す読み方になったためにこの3つだけが読み方が変則的になってしまったのです。
どういうことか詳しく説明しましょう。
この崔世珍と言う人は16個の子音字母を2つに分けたのです。
一つは初声と終声(받침)に使われるもの,そしてもう一つは初声にだけ使われるものです。
そして初声と終声に使われる8つの字母についてはその読み方を2つの漢字(初声用と終声用)で表したのです。
자음(16)
첫소리와 끝소리(받침)로 두루 쓰이는 8자 : ㄱㄴㄷㄹㅁㅂㅅㆁ
첫소리로만 쓰는 8자: ㅋㅌㅍㅈㅊㅿㅇㅎ
* ㆆ이 제외되고, 현재의 순서가 거의 같게 됨
しかし,윽,읃,읏と発音する漢字音がなかったので,それぞれ役,末=말→끝(귿),衣=옷という当て字を使ったのです。
ㄱ:其役(기역*)
ㄴ:尼隱(니은)
ㄷ:池末(디귿*)
ㄹ:梨乙(리을)
ㅁ:眉音(미음)
ㅂ:非邑(비읍)
ㅅ:時衣(시옷*)
ㅇ:異凝(이응)
それでこの3つは,規則的な読み方をしないのです。
さて,そのほかの字母ですが,初声にだけ使われる8つの字母(ㅋㅌㅍㅈㅊㅿㅇㅎ)は一つの漢字で表しました。
ㅋ〈箕〉 ㅌ〈治〉 ㅍ〈皮〉 ㅈ〈之〉 ㅊ〈齒〉 ㅿ〈而〉 ㅇ〈伊〉 ㅎ〈屎〉
このうちㅋ〈箕〉だけは,その漢字の音ではなく意味から付けたものです。
키は,日本語では「箕」といっていますが,穀物を中に入れ,上下に振り動かした勢いで,ちり・殻などを吹き飛ばすようにして取り除く農具のことです。
次に中声ですが,中声というのは母音ですね。これらはすべて漢字の音から取りました。
모음(11)
가운뎃 소리(중성)로만 쓰는 11자 : ㅏㅑㅓㅕㅗㅛㅜㅠㅡㅣㆍ
ㅏ〈阿〉 ㅑ〈也〉 ㅓ〈於〉 ㅕ〈余〉 ㅗ〈吾〉
ㅛ〈要〉 ㅜ〈牛〉 ㅠ〈由〉 ㅡ〈應〉 ㅣ〈伊〉
ㅡの「應」だけは응の初声だけをとったものです
母音にはとくに呼び方はありません。
아,야,어,여…のように言っています。
ただ複合母音はわかりやすいように,たとえば애ならば分解して아이 애のように言うことがあります。
このようにして生まれたハングル字母の名前ですが,公式には1930年に보통학교 언문철자법 부기〈普通學校諺文綴字法附記〉の中で‘기역, 니은, 디귿, 리을, 미음, 비읍, 시옷, 이응, 지읒, 치읓, 키윽, 티읕, 피읖, 히읏’とすると定められました。
そのときに,ㅏとㅗの中間の音価で17〜18世紀にはその音が消滅していたにもかかわらず文字だけがそのまま残っていた아래 아(ㆍ)が,字母から除外されたのです。
その後1933年に한글 맞춤법 통일안(ハングル正書法統一案)により키윽,히읏が現在のように키읔, 히읗に改められました。
最後は濃音の呼びかたです。
ㄲ,ㄸ,ㅃ,ㅆ,ㅉはそれぞれ쌍기역,쌍디귿,쌍비읍,쌍시옷,쌍지읒といいます。
濃音のことは된소리といいますので覚えておいてください。
激音は거센소리です。
しかしこの読み方も北と南では微妙に違います。
ここに示すのは韓国での読み方です。
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みなさん,まさかまだ「가」のことを,カタカナの「フ」に「ト」を書いて…なんて言ってないでしょうね。
でもㄱは기윽でしたっけ,기역でしたっけ?
ほら,まさに낫 놓고‘ㄱ’자도 모른다.ですよ。
ハングルの読み方は,ふつうは子音にㅣをつけて,次に으の下にまたその子音字を書いて,その字の読み方にします。
たとえば…
ㄴ=ㄴ+ㅣ+으+ㄴ=니은
ㄹ=ㄹ+ㅣ+으+ㄹ=리을
ㅁ=ㅁ+ㅣ+으+ㅁ=미음
ㅂ=ㅂ+ㅣ+으+ㅂ=비읍
ㅇ=ㅇ+ㅣ+으+ㅇ=이응
ㅈ=ㅈ+ㅣ+으+ㅈ=지읒
ㅊ=ㅊ+ㅣ+으+ㅊ=치읓
ㅋ=ㅋ+ㅣ+으+ㅋ=키읔
ㅌ=ㅌ+ㅣ+으+ㅌ=티읕
ㅍ=ㅍ+ㅣ+으+ㅍ=피읖
ㅎ=ㅎ+ㅣ+으+ㅎ=히읗
という具合です。
しかし例外があります。
それがこのㄱ(기역),ㄷ(디귿)とㅅ(시옷)の3つです。
どうしてこんな変則的な名前になっているんでしょうか。
ハングルが訓民正音(훈민정음)として最初に制定されたとき,字母の名前は決まっていませんでした。
たとえば『ㄱは,奥歯の方から出す音で,初声としての音は,「君(군)」という字を読むときの最初の音のように…』というふうに記されていたのです。
●훈민정음〈訓民正音〉(1446)
(1)자음(17)
아음〈牙音〉 : ㄱㅋㆁ 설음〈舌音〉 : ㄷㅌㄴ
순음〈脣音〉 : ㅂㅍㅁ 치음〈齒音〉 : ㅈㅊㅅ
후음〈喉音〉 : ㆆㅎㅇ
반설음〈半舌音〉 : ㄹ
반치음〈半齒音〉 : ㅿ
(2)모음(11)
기본자〈基本字〉 : ㆍㅡㅣ
2합자〈二合字〉 : ㅗㅏㅜㅓ
3합자〈三合字〉 : ㅛㅑㅠㅕ
ハングルの字母の読み方は,1527年に崔世珍(최세진)という人が,訓蒙字會(훈몽자회)という本の中で,初めてとなえました。
崔世珍はその字母の初声と終声を漢字で表したのですが,その漢字の読みが,のちに字母を表す読み方になったためにこの3つだけが読み方が変則的になってしまったのです。
どういうことか詳しく説明しましょう。
この崔世珍と言う人は16個の子音字母を2つに分けたのです。
一つは初声と終声(받침)に使われるもの,そしてもう一つは初声にだけ使われるものです。
そして初声と終声に使われる8つの字母についてはその読み方を2つの漢字(初声用と終声用)で表したのです。
자음(16)
첫소리와 끝소리(받침)로 두루 쓰이는 8자 : ㄱㄴㄷㄹㅁㅂㅅㆁ
첫소리로만 쓰는 8자: ㅋㅌㅍㅈㅊㅿㅇㅎ
* ㆆ이 제외되고, 현재의 순서가 거의 같게 됨
しかし,윽,읃,읏と発音する漢字音がなかったので,それぞれ役,末=말→끝(귿),衣=옷という当て字を使ったのです。
ㄱ:其役(기역*)
ㄴ:尼隱(니은)
ㄷ:池末(디귿*)
ㄹ:梨乙(리을)
ㅁ:眉音(미음)
ㅂ:非邑(비읍)
ㅅ:時衣(시옷*)
ㅇ:異凝(이응)
それでこの3つは,規則的な読み方をしないのです。
さて,そのほかの字母ですが,初声にだけ使われる8つの字母(ㅋㅌㅍㅈㅊㅿㅇㅎ)は一つの漢字で表しました。
ㅋ〈箕〉 ㅌ〈治〉 ㅍ〈皮〉 ㅈ〈之〉 ㅊ〈齒〉 ㅿ〈而〉 ㅇ〈伊〉 ㅎ〈屎〉
このうちㅋ〈箕〉だけは,その漢字の音ではなく意味から付けたものです。
키は,日本語では「箕」といっていますが,穀物を中に入れ,上下に振り動かした勢いで,ちり・殻などを吹き飛ばすようにして取り除く農具のことです。
次に中声ですが,中声というのは母音ですね。これらはすべて漢字の音から取りました。
모음(11)
가운뎃 소리(중성)로만 쓰는 11자 : ㅏㅑㅓㅕㅗㅛㅜㅠㅡㅣㆍ
ㅏ〈阿〉 ㅑ〈也〉 ㅓ〈於〉 ㅕ〈余〉 ㅗ〈吾〉
ㅛ〈要〉 ㅜ〈牛〉 ㅠ〈由〉 ㅡ〈應〉 ㅣ〈伊〉
ㅡの「應」だけは응の初声だけをとったものです
母音にはとくに呼び方はありません。
아,야,어,여…のように言っています。
ただ複合母音はわかりやすいように,たとえば애ならば分解して아이 애のように言うことがあります。
このようにして生まれたハングル字母の名前ですが,公式には1930年に보통학교 언문철자법 부기〈普通學校諺文綴字法附記〉の中で‘기역, 니은, 디귿, 리을, 미음, 비읍, 시옷, 이응, 지읒, 치읓, 키윽, 티읕, 피읖, 히읏’とすると定められました。
そのときに,ㅏとㅗの中間の音価で17〜18世紀にはその音が消滅していたにもかかわらず文字だけがそのまま残っていた아래 아(ㆍ)が,字母から除外されたのです。
その後1933年に한글 맞춤법 통일안(ハングル正書法統一案)により키윽,히읏が現在のように키읔, 히읗に改められました。
最後は濃音の呼びかたです。
ㄲ,ㄸ,ㅃ,ㅆ,ㅉはそれぞれ쌍기역,쌍디귿,쌍비읍,쌍시옷,쌍지읒といいます。
濃音のことは된소리といいますので覚えておいてください。
激音は거센소리です。
しかしこの読み方も北と南では微妙に違います。
ここに示すのは韓国での読み方です。
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