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サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカー 第18回ドリーム・カップ

2015年03月25日 | 電動車椅子サッカー

先週土曜日3月21日、前述した電動車椅子サッカーのドリーム・カップに神奈川県平塚市まで行ってきた。
プレー時の制限速度10km(二足歩行の小走りくらい)の国際ルールで行われるクラブチームの大会である。全国から集まった6チームが2つのグループに分かれリーグ戦をおこない、その後決勝を含めた順位決定戦をおこなった。

優勝したのはナンチェスターユナイテッド鹿児島(以下ナンチェと表記)。初優勝である。
大会前の客観的な優勝予想は、3連覇を目指すレインボー・ソルジャー(以下レインボーと表記)と阻止しようとするYokohama Crackers(以下Crackersと表記)、その2チームにナンチェがどうからんでくるかというようなところだと思うが、ナンチェが優勝する可能性はかなり高いのではないかと思っていた。
ナンチェはこのところ準優勝ばかりが続いていて優勝したいと気持ちが一番強いのではないかと思われたからだ。塩入選手が怪我をしたらしいという事前情報もあり怪我からの復調が絶対条件ではあったが、東選手が昨年11月にストライクフォース(電動車椅子サッカー用に開発されたマシーン)に乗り換えたことによりチーム力が大きく上がっていることも予想された。

しかしどう転ぶかわからないのが勝負というもの。
グループリーグ初戦はナンチェ vs レインボー、Crackers vs FCクラッシャーズ(長野)の対戦。
Crackersの対戦相手クラッシャーズは、類稀なる戦術眼の持ち主飯島選手を中心とした好チーム。Crackers も早い時間に先制点を奪えないと悪い流れになることも予想されたが、前半のうちに1点先制。コーナーキックからのこぼれ球を三上選手がダイレクトで逆サイドの永岡選手へパス、永岡選手が正確な回転キックで蹴り込んだ。その後2点を追加したCrackersが3対1で試合を終えた。
ナンチェ vs レインボーの1戦は、後半ナンチェがゴール前の間接フリーキックのチャンスに野下選手からのリターンパスを受けた東選手が豪快に蹴り込んで先制。“負けない”レインボーはその後、北澤選手の間接フリーキックをファーサイドの内橋選手が蹴り込んだと思われたもの判定はノーゴール。その後レインボーは追いつくことができず、ナンチェが1対0で勝利した。
両試合とも好カードであるが“同時”キックオフ。本当はどちらも観たいのだが、中心に撮影しているのはCrackers。しかしこの日はカメラマンにもきてもらっていたため、私は別のポジションで小さなカメラで撮影しながらナンチェ vs レインボーを横目で見たり、時折カメラも向けたりという“きょろきょろ”観戦状態だった。

ナンチェとレインボーのグループのもう1チームは廣島マインツ。チーム事情もあり参加はなんと2名のみ。本来電動車椅子サッカーは4名でおこなうものだが、ルール的には最低2名で試合が成立する。10点差以上の試合になるのではと心配したものの、2名の選手の頑張りで、スコアは0-6、0-2と善戦(といってもいいのかな)。

一方Crackersは金沢ベストブラザースの挑戦を退け勝ち点6で決勝へ、決勝の対戦はナンチェ vs Crackersとなった。
先制したのはナンチェ、後半3分東選手がドリブルで押し込み先制。東選手本来のうまさとストライクフォースの威力がミックスした得点。しかし10分後、Crackersは三上選手からのパスを受けた竹田選手のゴールで同点に追いつく。
そして試合は前後半では決着がつかずPK戦へともつれ込んだ。(大会規定により延長はなかった)。
PK戦では進境著しい紺野選手が東選手に止められて、勝利の女神はナンチェに微笑んだ。紺野選手にとっては飛躍のための良薬となったことだろう。

試合が終わると会場を移し、夜の部の交流会がある。多くの電動車椅子が集まり交流できる場所や時間を確保することは難しく貴重な場ともなっている。
もちろん電動車椅子サッカーをめぐっての熱い議論もあるが、選手たちの別の素顔も見ることができる。
各チーム何かしら余興をやらなくてはならない大会規定(??)となっていて、優勝(?)したのはCrackers。
某日本代表コーチの“雪の女王”への女装!女子選手などのメーク協力!ママたちの小道具作り!そして選手やスタッフのお子さんたちの奮闘!
金沢ベストブラザースも 抜群のチームワークと事前練習で素晴らしいパフォーマンスを披露した。
それにしてもクラッシャーズの加藤選手は人気者。主催者からの無茶ぶりに困った各チームから何度もご指名で呼ばれていた。

交流会も終わり帰ろうかとホテルを出ると、2次会へ向かうクラッシャーズの方々と遭遇。誘われるがままに飲み会に合流しガンガン飲んでしまい、終電で何とか帰宅。いやあクラッシャーズの関係者はほんとよく飲みます。

様々な意味で来年が楽しみなドリームカップでした。

現在日本電動車椅子サッカー協会が主催する、制限速度10kmのクラブチームの全国大会はない。ひょっとしたら将来的には予選を含めた10kmの大会が開催されることもあるかもしれないが、ここまで18年の歴史を積み重ねてきたドリームカップの功績はとても大きい。



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