シューベルト
フォスターとシューベルトの2人は私の作曲の原点である。
2人の作曲家に夢中になったのは、小学5、6年生ごろから、高校卒業するまでだった。
音楽と言えば、ベートーベン、モーツアルト、ショパン、ドヴォルザーク、ブラームス、バッハなど居並ぶ大作曲家を超えて歌に関してはこの2人に吸い寄せられた。
2人にはそれぞれの特色があって芸術性が高いと思ったのはシューベルトである。フォスターは芸術性よりも大衆性をうまく表現していたように思えた。
冬の旅はいうに及ばず未完成交響曲や菩提樹や魔王など僕にとっては宝物であった。とりわけ菩提樹は夢の世界へ誘う曲であった。メジャーで始まった曲の間にマイナーそしてまた元のメジャーへ移っていく曲には胸が締めつけられる。そうして 華美なユメノセカイ誘われた。
特にこの曲を聴く時は自分独りきりになった。周囲がざわざわすると夢の世界に(忘我)に入るのに妨げとなったからだ。
1人で自分の世界に入り、色々な夢を見た。なかには淡いロマンもあったし、限りない憧れもあった。その夢の中で聞いたメロディーや作風が今でも僕の心中に住んでいる。忘れられないのである。
ついでに言うと(冬の旅)はフィッシャーディースカウの声で聞いている。
珠玉の名曲である。おそらく生涯、僕の心の中で、いつも優しく鳴り響いてることだろう。