苫小牧で必ずやらなくちゃならない事その2は「五月」という居酒屋さんに
行く事
ここに行くようになって5年。
父が亡くなった年に母と二人で、「苫小牧の料理」を食べられるお店を
探した。
親不孝通りと呼ばれる一帯で「山菜料理」という看板が目に入った。
ピーンときちゃった私は入店を決意
カウンターに座り急激にテンションが下がった
カウンターに設えられたガラスのケースには、安いハムとか
スーパーで買ってきたようなマグロとか・・美味しそうに見えないなんかとか・・・
内心「見事な失敗~」と思った。
だが、店内はそれなりに賑わっている・・・
「ご飯は食べてきたの?」とママに聞かれ「いいえ」と答えた。
ビールを注文し飲んでいるとメニューがない事に気がつく。
「何を注文したらいいんだ???」
ほどなく、山菜料理、きのこ料理、魚系の珍しい料理・・・
どれもこれも美味しい家庭的な料理が勝手に出てくる。
ガラスケースの中にあるものは全く出てこない。帰る間際にママに聞いた。
「なぜガラスケースにこのような物が入っているのですか?」と
「たまーにお客さんが、この中に入っているような物が食べたいっていう人も
いるんだよー。」との事。
その時以来、苫小牧に行くと必ずママの手料理を食べに訪れる。
その都度、常連さんで賑わい、夏の旅行シーズンには遠く関西などからの
ライダーさん達もフェリーで着くと必ずここに来るという。
まさに、ここは地元以外の人々の「苫小牧の家」なのだ
で、今回は6月という事でギリギリ山菜が食べられる時期。
今年の北海道は寒く、旬がずれているらしい。
ゼンマイのお浸し。山菜やキノコはママが山に入ってとってくる。
時にはお魚も釣ったりするらしい。
北海道の太いフキに豚肉を詰めたもの。
旬のホワイトアスパラのごまクリーム和え。なーるほど・・こうして
食べるのもとても美味しいものだ。
で、チョー絶品だったのがヤマメの唐揚げ。
この時期にしか食べられないという天然ヤマメの稚魚の唐揚げ。
お隣に座っていた常連さんが釣ってきたもの。
鮎の稚魚も大好きだけれど、このヤマメはほんとに美味しかった
私の中ではフグの稚魚の唐揚げに感動して以来の感動
これは「ばばがれい」の煮付け。調べるとナメタガレイの別名らしいけれど、
この旬の時期にはこう呼ぶのだろうか?
カレイの中でも最高級の部類らしくとにかく、カレイとは思えない脂ののり。
港の市場で帰りに買い、家でも煮付けたのだけれど、滅茶苦茶、美味しかった
今の時期は身も厚く、特にエンガワの部分はこたえられない美味しさ
笹だけ?姫たけ?とにかく、細いタケノコの卵炒め。
タケノコの香りが良く、これは地元でしか食べられないな。
そのほかホッケのなんとか漬けも頂き、信じられない安さ
いつもだけれど・・・
初めて出会って以来、まるで親戚のように良くしていただき、
毎年、ママが足で集めた海鮮物やトウモロコシなどをウチまで送ってくださる
私には帰る所が出来て本当に幸せです