Y's クロニクル

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Netflixのマルコポーロとは?とにかく面白いです!

2015-09-09 10:10:22 | TV・映画の感想、書評など

netflixの「マルコポーロ」エピソード10の最後を残すだけとなった。
個人的には、かなり面白く今年のNO1だと思って見ているんだけど、
意外や意外・・・netflixの本拠地である米国の批評家の間では酷評の嵐なんだって~ 

タイムのレビューを読んでみると「くだらない歴史大作。ネットフリックスが莫大な資金をつぎ込んで
好きな人は好きだろうという全く何を描いているのかわからない壮大なドラマを作った。
擁護する視聴者は忠実に歴史を描いているというだろうが、大ハーン(エンペラー)がその刃に世界地図を
彫りこんだ大きな刀を持ち、モンゴルの王、中国の王、世界の王という陳腐なセリフを毎回唱えるだけだし
マルコポーロは、いとも簡単に大ハーンの信用を得る事が出来るし、舞台美術も陳腐」なんていう酷評とは
こういうものだろうの典型(タイムのレビュー訳は超、超、超訳なんで

これは我々日本人と違いマルコポーロやモンゴルに馴染みが薄いからじゃないかと思ったのよ。
画面にイタリア人であるマルコ以外はほとんどモンゴリヤン、チャイニーズというアジア系の顔だらけだもの。
しかし、そうでもなさそうなのは・・・一般視聴者はそう考えてはいなさそう・・・ というのは・・・

米国の視聴者の大手レビューサイトでは、酷評している批評家を酷評している
レビューがかなり多いのだ。多くみられるのは「酷評している批評家はあまりにも無知である 
ってヤツ。
私もそう思うな~あの大ハーンをその様にしか捉えられない批評家の感覚が信じられない。 

塩野七生の「ローマ人の物語」が好きな人なら間違いなく好きなんじゃないかな~と思う。
壮大な侵略の歴史・・・しかし残酷な歴史だけではなく(事実このドラマには酷く残酷なシーンも多いの
久々に顔に手を当て指の間からキャーと叫びながら見るという事をやった) 
大ハーン=フビライ・ハン という一人の人間の大きさと魅力をマルコを通して理解できる作品だし、
この時代の女性達も誇張はあっても伝わる内容なんだけどな~

その女性を描く際にエロ描写が多用されているというのも米国の批評家に不評な理由の一つかもしれない。
「お上品な中でなされるエロ」と揶揄しているのだから。
まあエロはね~確かに大胆に描かれているけれどあれだけ堂々と描かれていると見ているほうも
エロ度が逆に薄まるわけだね~
そしてただエロというよりも、あの時代なら女性の武器はそういう事だったのだろうな~とも思わせる。
賛否ではなく、事実それを持って生き、外交に貢献したんじゃないの?時代とはそういうものなんだよきっと。

批評家氏はこのドラマ全体に現代の価値観で酷評しているようにも思える。清廉で正義のアメリカだからな~ 

歴史の教科書で名前だけは憶えているマルコポーロ(AC1254年~1324年)
実際に彼はフビライに使えていたんだ
生地であるベネチアを父親と東方に旅立って、ベネチアに戻ったのは24年後だった。
そしてあの有名な日本のジャパンという名づけ親にもなった「東方見聞録」はマルコがベネチアに戻り、
口述筆記したもの。
その原本は早くに失われ、後にフランス語版、そしてドイツ語版で広く知れたわけだけど、
原本が無かった為に、かなり後になって創作されたストーリが多く紛れ込んでいて、
どれが本当にマルコのものなのか定かではないらしいんだね現実は

そして、なんていってもこのドラマの中心人物であるフビライ・ハン。
彼はあの「ジン・ジン・ジンギスカ~ン」の孫にあたり祖父が成し遂げられなかった
宋であった中国全土を支配し国名を「元」と名付けた。あの「元寇」の元です。

この時期までにモンゴルは世界史頻出の「ワールシュタットの戦い」でドイツ・ポーランド連合を
破りヨーロッパ社会に大変な脅威を与えていたわけよ。
ご存じのように元寇は失敗に終わったので日本は安泰でしたが。

フビライは中国統一後、交通網の整備を行いその偉大なる勢力拡大にヨーロッパ人も食指を
動かしローマ教皇やフランスなどは使節団を送るようになったわけ。
シルクロードは大金が落ちている道だもんね~
私が良く知らなかったこの辺りの事情も良くわかり、興味を惹かれます。 

そしてまたドラマには魅力ある悪役が必須なワケでそれにあたるのが宋の宰相、賈似道(カジドウ)。
カマキリ宰相と呼ばれその風貌から弱っちい男かと思ったら、これがなかなか~
カマキリの観察が好きだったらしいよ。策略だけにはめっぽう強い弱っちい男と思わせて
あのジャッキー・チェンの酔拳みたいな動きで敵なしときている。

カジドウは貧しい幼少時を経て最高位を実の妹を踏み台に得た男で、この妹は
幼少時から娼婦として、後には宋の皇帝の側室になり娘もいるけれど、フビライ攻略のスパイに
やはり娼婦として送られるんだよ

その他の興味引かれる登場人物は、フビライの妻、そして宋の皇帝の妻、彼女らがまた賢い
大きな男の影に優秀な女性あり!って感じかな。
フビライはアジア中東地域、ヨーロッパ、中国での捕虜や惨殺した男の息子などを宮廷で臣下にしている。
この人々も魅力的だ。
中国人で戦でフビライから目を突かれ盲目になった戦略家、中国武闘家や財政や戦略のトップである
インド系?ペルシャ系?の臣下など、昨日は彼のエピソードで初めてこの物語で涙したわ

この物語はそれぞれの人々が持つ「誇り」の物語だと思う。
その真の「誇り」が見ている者を魅了するんだよ。

このオリジナルドラマの脚本などを手掛けているのはアメリカ人なので、聖書的観点が根底にあり
「カインとアベル」が意識されているようにも思う(現に劇中でフビライが マルコにそのエピソードを
知りたいと言ってマルコが語る場面があった)カインとアベルの時代から続く悲劇を避ける事が出来ない
歴史と人間の呵責のような 

批評家氏のいうよな陳腐な舞台美術と私は思わないし、とても美しく壮大なモンゴル、中国、
宮殿で楽しめるし、
なによりも、あのどでかいフビライ・・お相撲さんの様なフビライがだんだんカッコ良く見えてくるんだ
そのちょっと危ういフビライの息子役は本当にイケメンだし
イタリア人のマルコポーロ役の俳優も何かの賞をもらっただけあって、なかなかの適役だし、
マルコポーロの目を通して描かれたアジアが何より新鮮なドラマだと思う。 

文字ばかりのブログになったのでチョコっと写真も~

ソラマチにナチュラル・ビレッジという100円ショップでは珍しいキッチン小物専門店があります。
最近はグラスやシュガー入れを購入。
ここで十分だね!

下のランチョン・マットは新丸ビルの「私の部屋」で2枚480円で買った物。
ちょっとゴージャスに見えるでしょ??? 



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