昨日、12月2日は西海港で惨敗を期して、もうこのまま帰路につこうか?とも
考えました。しかし、エサも、弁当もまだ大量に残っているし、もう1日ここで
粘る予定だったので、明日もここで粘るか? それとも場所を移動しようか?
大いに悩みました。
広い西海港の中で、陣地になる場所をずらして、カレイが溜まっている場所を
探そうか?と考えましたが、ずっと北東からの強風が吹いていて、他の釣り座は
向かい風になってしまうために、あまり気が乗りませんでした。
じゃあどうするの?
暫しの時間、スマホやカーナビ地図と睨めっこ。
帰り路のことも考慮して、東京に近い富山県の中で有力候補地を探そうか?
とも考えました。
富山新港や魚津漁港なども、いちど竿を出してみたい魅力の場所です。
しかし外海が荒れていたら富山・新潟の海岸は釣りにならないし、
ずっと吹いている北東からの強風が気になります。
天候に左右されない能登島で釣ることも考えましたが、どうしても「腐海の森」
と化したケムシのトラウマから抜け出せません。しかもイシガレイが有力だし、
マコガレイ好きな私にはイマイチ気が乗りません。
しかし、人間というものは、窮地に陥れば、良い答えを出すために、
過去の体験や実績に頼ることが多く、狭い範囲でしか考えられなくなり、
その結果、負のスパイラルに陥ってしまい、抜け出せなくなることが多々あります。
ここはひとつ思い切って、「思考範囲の外挿値」を取り入れて、
今まで考えもしなかったもっと遠い候補地も試してみようか?と考えました。
北東からの強風に強い場所を優先して候補となる漁港をグーグル地図で探していると、
能登半島の先っぽの珠洲市にある飯田漁港と蛸島漁港が良さそうに思えました。
飯田漁港 ↓↓
12月2日に居た西海漁港から珠洲市飯田漁港までの距離は85km。
2日PM7:30には決断して、PM10:30には飯田漁港に到着。
到着した時には、この場所でも北東からの強風が続いており、突堤の堤防から
追い風になる漁港内の方向へ向けて、4本の竿を投げ込みました。
海底は泥底で根掛かりも無くカレイに良さそうです。
この突堤は常夜灯が点いており、車も横付けできて、雨天でしたが快適に過ごす
ことができました。
30分毎にエサチェックをしていましたが、何者かに食われていて、全て素バリで
戻ってきました。
日付が変わるころ、いつの間にか眠ってしまい、目覚めると12月3日AM6:30。
車から出ると、昨夜は追い風だったのに、西からの強風で向かい風に変わっていました。
これはマズいと、漁港の対岸へ場所移動。
とても古い岸壁であるらしく、護岸が錆びついて風化してました。
足元の水深は8~10mあり、大物が潜んでいる気配がプンプン匂います。
漁港内の潮が流れてこの岸壁に当たるようで、ここは絶対に良いポイントだと
思います。
AM8:00 正面から陽が射してきました。
さあ、やろかあ!! と気合いを入れ始めたそのとき、私の背後からブルドーザーの
エンジン音とダンプカーが入ってくる騒がしい音が始まりました。
なんと、私の陣地のすぐ後ろにある砂山をブルが削り取って、ダンプの荷台に
載せる作業をしています。
「出ていけ」とまでは言われませんでしたが、迷惑そうに私のほうを見ています。
もともと工事現場に駐車している私のほうが悪いと思ったので、
ろくに釣りもせずに、急いで撤収することに。
撤収するために足元に落としたルアー竿を回収すると、あらら、バイ貝が。
このポイントは、たぶん、釣れる場所だと思いますよ。
いつの日かじっくり釣ってみたいと思います。
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再び場所移動です。
AM8:30 飯田漁港から6km離れた蛸島漁港へ移動してきました。
蛸島漁港のガラーンと広い網干し場へやってきました。
作業はしてなさそうだったので、陣地を築いて、4本の竿を投げ込んでみました。
足元の水深は5mほどで、泥底です。漁港内には海藻も無さそうです。
4本の竿を投げ終えて、しばし車のなかでいっぷく。
私の駐車した斜め後ろに大きな製氷機が設置されていて、何回か関係者がトラックで
氷を取りに来ていました。
AM9:30
車のフロントガラス越しに4本の竿を眺めていると、右から2本目(黒い竿)が
ひったくられて、海へ引きずり込まれそうな大アタリが発生。
ヤバッ!! 慌てて車から飛び出して竿を持つと、グイグイ引っ張る手応え。
魚の引きに耐えて構えていると、ゴンゴンゴンゴンと頭を振るのが判ります。
なんやろ? 青物かな? シーバスかな? かなり大きいな。
ものすごく楽しいです。BX-Tの竿が満月に曲がるし、7000番リールでゆっくり
グリグリ巻くときの重さが心地良いです。
なんやろ?とワクワクしながら寄せてくると・・・
オモリの後ろに褐色の弾丸!!
岸壁に引き抜いてみました。
どーん!!
わおっ、キツネザル。
久しぶりのドラ猫族のアイナメ恭子ちゃん。
36cm ありました。
あはは、あはは、ここまで来た甲斐がありました。
最近アイナメ釣ってないしなあ。
貴重な1匹です。
AM10:20 また右から2番目の黒い竿の竿先を叩くアタリが出ました。
竿を持ってリールを巻きましたが、そんなに手応えはないですが
何か付いています。
寄せてくると、23cmのキスがぶら下がっていました。
まだカレイは釣れてませんけど、アイナメ、キスが釣れて、投げ釣りをしている
楽しい気持ちになりました。
ああー、遠い知らない海で、自分の好きな趣味を楽しんでいるなあ。
実感が湧いてきました。
3日の昼が過ぎました。
残っているアオイソメは、お互いに噛み付き合って、切れ切れの短いヤツばかりで
さらに続けて頑張っても、あまり期待できそうにありませんでした。
PM2:00過ぎには、「そろそろ帰ろうかな?」と思ってましたが、
まだユムシ弾10発が残っていたことを思い出し、4本の仕掛けにそれぞれユムシ弾を
通し掛けにして、さらに出した針先には短いアオイソメを房に付けて、放り込むことに
しました。ぱっと見はホタルイカのような「アオ・ユム」ハイブリッドエサの投入です。
これで夕方まで粘ってみるか・・・。
しかしねえ、まあ小さいユムシ弾だこと。オレの◯ん◯んより小さいやんけ(笑)。
まあ、昼間のユムシだから期待薄ですけど。
過去に釣れたことが無いので、ほとんど期待してなかったのですが、
ユムシはエサ取りも食わないし、夕方まで放っておいても無くならないし、
雨降りの中で、のんびりと車のフロントガラスから眺めてました。
ここ能登半島は1134khz文化放送が奇麗に入ってきます。
PM2:40 ラジオを聴きながら、目先は4本の竿を眺めていると・・・
またしても右から2番目の竿先がジビジビと震えました。
「どうせフグのアタリだし・・・」やり過ごしました。
その1分後、こんどは左隣の竿が突然大きくコーンと、おじぎしました。
こ、これは今までに見なかった大きなアタリだったので、
車から出て、そうっと竿を手に持って、
少しだけ竿を引いて、オモリを1mほど手前へ寄せてみました。
するとオモリの後ろに何か付いているみたいだったので、
大きく空アワセを入れてみると・・・、
ズドーンと重たい手応え。
BX-Tの竿が満月に曲がりました。
こ、これは、おそらく、あの、「ひらべったいのん」でしょ。
慎重にリールをグリグリ巻いて慎重に寄せてきて、抜き上げました。
どーん!!
やりましたぁ!! マコガレイ37cm (メス) でした。
コイツの写真を撮って、〆て、クーラーボックスへ入れた後、
いちばん左の赤い竿を見たら、やたらとラインがふけていました。
えっ?これもカレイなのか?
いちばん左の赤い竿を手にとって、糸フケを巻き取ると、
オモリの位置が投げ込んだ場所よりもずいぶん手前まで移動してました。
こ、これはカレイで間違いないでしょ。
しかし、昨日のガッカリなこともあったし、姿を見るまでは・・・。
そう思いながら、空アワセを入れて、リールを巻くと、ものすごい重量感。
しかし、すぐ手前の足元から浮上してきたので、ひと目でカレイだと確認してから、
岸壁の上に抜き上げました。
上げてみて、あらためてその大きさにビックリ。
メジャーを当ててみたら、なんと、46cmもあるじゃないですか。
マコガレイ 46cm (オス)
うぉぉぉおおおおお~~!!! !!!
漁村中に聞こえるぐらいの雄叫びを挙げてしまいました。
ははは、
ははは、
気が変になるぐらいの喜びでした。
ところが、コイツを〆て、クーラーボックスにしまい込んだ後、
最初にジビジビとフグのアタリが見られた右から2番目の黒い竿を巻き取ろうと、
手に持った瞬間、
ググッと魚の抵抗する重さを感じました。
フグと違うのか?
ひょっとして、またかあ? ウソやろ~、
空アワセを入れると、またまた重量感。
コイツもリールを慎重に巻いて寄せてきました。
どーん!!!
マコガレイ 33cm (メス) でした。
コイツも〆てクーラーボックスへ。
なんと同時にマコガレイ3枚も釣れたことにキセキを感じるし、
いやいや、これがカレイ釣りの特徴だと言えばそうだし。
もうね、汗ダクで、興奮冷めやらずです。
カレイが釣れたのはこの一瞬だけで、その後はアタリも無く、
陽が落ちて暗くなってきたので、
PM5:00に終了。
仕掛けを仕舞うときに、手のひら級のカレイが掛かりましたが、これはリリース。
もっと大きくなって、来年オレがまた釣ってやるからな。
しかし、初めて来たこの漁港で、
釣果: アイナメ36cm 1
キス23cm 1
マコガレイ 46cm 37cm 33cm 3枚
すごいじゃないですか。
帰りはよほど気を締めて運転しないと、浮かれ気分で運転していると、
事故って死んでしまいそうです。
帰り道、上信越道で上越JCから妙高高原へ上ってゆくとき、雪でした。
「備えあれば憂いなし」で、すでにスタッドレスタイヤに交換済だったので、
不安無く運転できました。
いつだったか過去に、この道をノーマルタイヤで通過できずに、
北陸道をいったん福井、滋賀へ南下して、東名高速道路で東京まで帰ってきたことが
ありました。
命に関わることなので「同じ轍は踏まない」ことが大事です。
12月4日 AM4:20 板橋の自宅へ無事に帰還いたしました。
走行距離 1264km
12月2日 西海漁港での釣果 ↓ ↓
12月3日 蛸島漁港での釣果 ↓↓
うーん、大戦果じゃ。
こんどはいつ行くの? と訊かれても、距離が距離だけに、うーん、判らないな。
苦難の末に得た宝物とは・・・これらの魚のことではありません。
「思考範囲の外挿値を探すこと」なんです。