今週もマスをいじめに行こうかと思ってました。
フライロッドをシュワシュワ振って、デカい赤身のトラウトでも釣れりゃ~
気分は満足するんじゃないか?
しかし、この冬はまだマコちゃんを1匹も釣っていません。
果たしてそれでいいのか?マスを釣って気晴らしして時間を潰して、本当にそれでいいのか?
と自問自答を繰り返す私。
遠い福島の地へ、高い高速代とガソリン代、さらにエサ代、さらに人間様のメシ代・・・
をかけて出撃しても、神様は結果を保証してくれるわけではなくて、徒労に終わって、
ボウズで戻ってくる確率は非常に高いです。
今年は異常に寒いです。寒波が次々と列を作って襲来してきてマイナス気温が続いています。
へたすりゃ、凍死して死ぬかもしれない。
天気予報によると、関東東北地区は今日も午前中は穏やかであるが、
午後から急速に崩れて吹雪く見込みで、北方へ出撃する気持ちを鈍らせます。
どうしようかな?いろいろと思案しているうちに、どんどん時間は過ぎてゆきます。
どうせいくらマスを釣って気晴らししていても、最終的にココロの達成感は得られていません。
チャンスがある限りマコを狙いたい。・・・やはり釣りバカが出す結論はこんなものです。
今からだと、場所取りすらできそうにもありませんが、とりあえず出撃してみましょうか。
土曜日のAM5:00まだ暗いうちに自宅を出発しましたが、首都高速から常磐道をへ乗り継ぐ
ころには夜が明けてきて、現地のいわき市に入った時間には、地元の通勤時間と重なって
国道6号線は交通量が多くて、ノロノロ運転でイライラしながらも、なんとか到着しました。
いつものポイントに到着してみましたが、北から南へ投げる岸壁に貨物船が横付けされており、
港内で資材運搬トラックが忙しそうに作業していて、完全に仕事の邪魔になるので、もう一辺の岸壁へ。
もう一辺の岸壁は貨物船がおらず、ガラーンと空いていましたが、南側のフェンス際には投げ師が1名
竿2本をブッ込んで陣取られておりました。様子を訊くと、シャコしか釣れてないとのこと。
広々と空いている左側の隣に陣取ることにして、4本の竿をブッ込みました。
AM8:00 スタート。
この日のエサは、新しく作り直した太アオイソメの塩漬けです。
今日は大潮だし、朝から昼に向かって引き潮なので、チャンスはおそらく昼過ぎから潮が込み始める時間帯
でしょう。
朝の海況は、風も無くて、ベタ凪。潮も動かず、潮目もありません。期待薄ですが待つしかないでしょう。
さてと、のんびりやりますか。と車の中でまったりと構えていると・・・
・・・
・・・
港湾工事関係者の車が近寄ってきて、「ここに係留します。引き揚げてください。」
・・・
・・・
えっ? と沖を見ると、小型タンカーがこっちに向かって近づいてきます。
・・・
・・・
あーあ、急遽退却じぁあ。
・・・
・・・
大急ぎで片付けて、車の中で、「ホンマ何処行ったらええねん?」
・・・
・・・
ケチが付くと、とことん付きますな。
初めての場所ですが、約15km北にある江名漁港へ転進しました。
震災後の改修工事も終わって、なかなか良さそうな漁港です。
車は横付けできませんが、できるだけ近くに駐車して、
まあ天気がいいし、岸壁の真ん中に陣取って、投げ直しました。
底はドロ、障害物はなさそうです。
ここで1時間ほど試し釣りしました。
投げ込んだエサはそのまま戻ってきます。
エサ取りも居なくて、ヒトデやフグ、シャコも居ないようです。
地元の爺さんが話しかけてきたので喋っていると、夏~秋にはハゼが多いそうです。
景色もいいし、絶好のロケーション。
ここで1枚釣れてほしいですけどね。
シーバスロツドを出して、足元の水深を測ると、約4mぐらいです。
水汲みバケツで汲んだ水に指を浸すと、超冷たい。サカナも冬眠かな。
ダメかぁ。
他に行く場所も無くて、釣れないことは判っているけど、時間潰しのつもりで、
昼近くまでここで粘っていると、・・・
あれっ? 見たことのある釣り師がこちらへ近寄ってきます。
たしか一昨年ぐらい前に、小名浜港で毎回のようにお会いしていた横浜出身のお兄さん。
久しぶりですね。しばし釣り談義にココロが和みます。
最近の近況を情報交換して、この江名港が釣れない場所であることを知りました。
お兄さんのオススメ場所へ転進するか?どうか悩みましたが、
気持ちの中で「今日はダメだな」とほとんど諦めていたので、
帰り支度をすることに。
ちょうど昼ぐらいになってきて、急速に天候が崩れ始めました。
北からの強風が吹き始めました。
ちょうどいい。はやく帰ろうっと。
・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・ ・・・
カーナビで、いわき中央IC または いわき湯元IC から常磐道へ乗り込もうとしましたが、
いくらセッティングしても、カーナビが、小名浜港を通って、下道の国道6号への道を誘導します。
なんでやねん?
オレ、はよ帰りたいねん。
同時にカラダが冷えたのでしょうか? 腹の具合いも、グルグル下ってきました。
ヤバッ、近くにコンビニないかな?
コンビニを探しながら、小名浜港へ向けて走り出しました。
田舎ですからねー。焦りました。いざとなったら男やし、野○○でええやん。
かなり走って、小名浜港にあるミニストップを見つけて、駆け込んで、ホッと一息。
その後、一休みしてから、再度、朝居た小名浜港のポイントへ戻ってみると
・・・
・・・
・・・
えっ、? 貨物船がイカリを上げて離岸しようとしています。
しかも北から南への岸壁だから、この猛烈な強風も追い風になります。
ひょっとして、
これはひょっとして、
ラッキーかも。
・・・
・・・
・・・
貨物船を見送るカタチで、そそくさと、すばやく、ポイントに三脚を立てる私。
自分ながら釣りへの執着心に褒めたいです。
写真では見えませんが、恐ろしく強い暴風が、背後から前へ吹いています。
三脚が何度もぶっ飛びそうになりました。
PM2:00 再びスタート。仕切り直しです。
暴風の中、恐々、じゅうぶん注意しながら、なんとか4本並べて、あとは車の中で、まったり。
車の扉が強風で持っていかれて、閉まりません。
ユッサユッサと車が風で揺さぶられます。
凄いです。いつも100m飛ばすのに、ひと苦労するのに、このときは暴風の追い風に乗って、
リールに巻いたPEラインが250m以上出ました。
うっひょ~、すごいですね。
糸フケを取って、リールを巻きなおしても、軽く150mは飛んでいると思いますよ。
私の右隣には、乗り合いバスを自家用にしている投げ師が陣取って、竿6本体制です。
この投げ師も今朝早く、もう一辺の岸壁で竿を出しておられましたが、私と同じく、立ち退き退去させられ
午後から、私のすぐ後に再び来られて右隣に入られました。
PM3:30 この投げ師が大きなマコちゃんを1枚上げられました。
お見事。さすが。同じ釣り師として尊敬いたします。
オレも欲しいなあ。
神様たのむよ、1枚でええねん。お土産1枚でええねん。
PM3:45
隣の釣り人が車の中へ入ったことを見計らって、私も竿のチェックすることに。
4本投げ込んだ竿を1本ずつ右から回収します。
うーん、エサはジビジビ齧り取られているようです。
3本まで回収し終えて、さてと4本目の竿を回収。
フェンスよりも左奥方向へ投げ込んだ竿を手に持って、しゃくると・・・
ズシッ!!
おっ、なんか付いてる。根掛かりじゃない。
ゆっくりリールを巻くと、ただ重いだけじゃなく、ときどきゴンゴンと抵抗しているような・・・
たのむからマコちゃんであってくれー。
外道でもいいから、食べられるヤツであってくれー。
グリグリグリグリ・・・ グリグリグリグリ・・・
リールを慎重に巻いて寄せてくると・・・
おおーっ、茶色い、ひらべったいやん。
???
???
ちよっと長細いなー。
ん?
ひよっとしてナメちゃん?
???
???
そやわ、ナメちゃんやわ。
ええっ?
そ、
そんなことがあってもええんか?
ナメタやで、ナメタ。
うわーっ、ナメタや。
・・・
・・・
・・・
しもたあ、タモ用意してないし、抜き上げられるかな?
うわー、焦るなあ。
せーの。
で、
ひょい。
・・・
・・・
・・・
波止の上でボテッ。あまり跳ねません。
反り返るチカラがハンパじゃない。
こらっ、おとなしく伸びてメジャーに乗れ。
ええわあ、初めて釣り上げたナメタガレイ。
嬉しいわあ。
かわいい尻尾
メジャーをあてると48cmのように見えましたが、慎重に測りなおすと47cmでした。
ナメタを初めて知ったのは関東へ転勤が決まった2008年の秋です。
釣り雑誌で常磐地方や東北地方へ関心を持ったときに初めて知りました。
その後、転勤してきて、東京の新橋や築地の、割烹や居酒屋で、このナメタの煮付けを初めて食べたときの
衝撃的な美味さは忘れられないものでした。
それから赤羽の角上魚類さんでナメタ切り身のパックを見るたびに、大人買いして楽しんでおりました。
一時はナメタを釣ってみたくて、宮城県の石巻まで釣りに行こうか?とも真剣に考えたこともありました。
小名浜港でも沖堤にはナメタが居るようですが、沖へ渡る勇気もなかなか無くて・・・。
興奮した気分を鎮めて・・・ ( こういう我を忘れたときに事故が発生し易いのです。)、
相変わらず外は暴風が吹いていて、浜通りには気象警報が出ています。
2匹目のナメタを狙っている自分が怖いです。
ナメタが釣れた左奥方向へ4本とも竿を集中して投げ込みました。
さらに15分毎に誘いをかけて・・・ ・・・ 昼間の諦めムードとはえらい違いです。
にやにや、笑顔が止まりませんわ。
神様、おおきに。
暗くなっても自宅へ帰ろうという気がしません。
相変わらず、暴風の中で、4本の竿を15分おきに触ってます。
PM7:30
完全に暗くなって、気温もマイナスまで下がって、それでも頑張って、
そんな私の姿勢を神様は見放しておりませんでした。
4本の竿を右から1本ずつ回収して、またしてもいちばん左に投げ込んだリョービの竿に重量感が。
またしても竿を持って、しゃくると、ズシッ、。
きたきたきたきたきたぁー
リールを慎重に巻いて寄せると、今度はちゃんとした茶色い菱形が浮上。
えいっと抜き上げて・・・
35cmのマコちゃんでした。
その後PM10:00 まで粘りましたが潮が下がってきたので、これ以上は釣れないだろうと終了。
よく粘りましたわ。神様、本当に有難うございました。
やはり小名浜は裏切りませんわ。
追記
2018.02.18
釣ってきたナメタガレイを下準備しました。
昼過ぎに捌いたのですが、2cm縮まって45cmになってました。
ぬめぬめを取っても取っても、きりがないです。
どこが顔やねん?汚い顔やな。
まあええわ。
記念撮影します。
エラ蓋を取って、ハラワタを取って、胃の中には何があるのか?確認しました。
とってもグロいから掲載しませんが、20cmもあるアナゴが入ってました。
そのほか私のエサと違う岩イソメの欠片。
そして、
とっても重たいはずです。抱卵してました。
すごいですね。
尻尾のほうまで卵がぎっしり。
そして切り身もとっても分厚いです。
料理ができたらまたアップします。
それに比べて、35cmのマコちゃんのほうは産卵が終わって、薄っぺらい、ペラペラでした。
適当にヌメリを取って、包丁でしごいて、ジップロックに入れて冷凍庫行きです。
ずいぶん軽い扱いですが、しょーがない。オマエの相手は抱卵したナメタなんだから。
もしもこのマコちゃん1枚だけ釣れていたなら、王子様扱いなんですけど、
コイツの運が悪かったとしかいいようがありません。