路地裏に建て込む家並みを超えて
遅めの朝の光が蒸し器から立ち昇る湯気を輝かせています。
蒸しあがった団子の串を
傍らの焼き台の鉄久に載せる。
まもなく玄米団子の表面の色が深くなり、
すぐさまその串を島の醤油の壷に浸け、
また、焼き台に戻すと
ジワーっと焼き色が付く。
程なく、火に炙られた醤油の香りが広がってくるんだ。
2度目の付け焼き。
醤油の照りが陽射しを受けて、飴のように輝く。
仕上げは、本仕込の出汁醤油。
さっと炙れば、本日の焼き醤油だんごの出来上がりだ。
少しずつ、少しずつ、団子屋の親父の顔になってきた自分の顔に
うっすらと汗が滲んでいく。