ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

日本旅行記2 最上川

2018-09-12 10:40:25 | 旅する

 ありし世の 速さそのままに 最上川


芭蕉の「さみだれをあつめて早し最上川」は最初「さみだれをあつめて涼し最上川」であった。

芭蕉は最上川の流れの速さに目をみはったと思う。だからどうしても「早し」を入れたかった。私もそうだった。句だけから川の流れがどのくらいの速さなのか想像するのは難しい。濁流の速さしか思い浮かばない私に実際目にした最上川の流れは、あたかも川が意志ある生き物であるかのように映った。それも、水の精霊たちが一丸となって酒田港を目指すかのようにみえた。かつて芭蕉もみた最上川を現代人も同じ驚きをもってみている。偶然にも日本を発つまえに会った旧友も最上川の速さについて語り、時を超えて感動する出会いを通じて私たちはありし世の人間に出会う。