ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

蜥蜴

2019-05-22 08:29:00 | 俳句
 あの声で蜥蜴食らうか時鳥  其角

 其角はこんな俳句を作る人。ドキッとする。NHK俳句、新しい選者の一人が長嶋有さん。斜に構えたような、一癖も二癖もあるような異色な方でドキッとする。新鮮。公開句会で参加者の大半が若者という。俳句の面白さは、幾通りにも解釈できる鑑賞のヴァラエティ。こんな光景がうかんだのか、こんな歴史的背景があるのか、こんな思いを読んだのか等々、たった17文字を巡って広がる世界。おまけに誰にでも門戸が開かれている。紙とペンがあればいい。私もいつか投稿しよう。今週の俳句番組で長嶋さん「雀荘」というこれまでにない光景を取り入れた句を選んでる。新しい俳句のおもしろがり方を伝えてくれます。長嶋さんの一言、初心者だのなんのと謙虚な姿勢なんていらん「やってみ?」

 「俳句は数式ではない。あらゆることに自分で答えを出し続け、考え続ける文芸だ」

  うーん名言なり、と私は思う。

 思えば私は平成時代をこちらで過ごしているので日本での平成時代を知らない。30年過ぎるとは0才の赤ちゃんが30才に、30歳が60才に、60才が90才になる年月、時代は移り変わるという事に鈍いまま時を過ごしたなあとテレビジャパンを観ながら思う。新しい作家も、画家も、スターも、歌手も知らない人ばかり。だから毎日いまだにいろんなことに目を瞠ってる浦島太郎気分、とはいえひしひしと実感するのは生活スタイルのグローバル化。テレビ画面に映るテーブル、椅子、食器、インテリア、ガーデニング、ファッションの流行はこちらと変わらない。ニューヨーク、モントリオール、東京のファーストファッション店H&MやZARAでみたのは何処も同じの品、ほぼ同じ値段だった。

 話は変わるが、昨日、お客様がありマドレーヌを焼いた。お皿はコーヒーソーサー。他人からみたらナニコレ、ガラクタ皿寄せ集めじゃんビンボクサと思うかもしれないが私は楽しいのよ。いつまで生きてるわけじゃないから他人にご迷惑かけないテリトリーで好きにしよう。長嶋さんじゃないが俳句でどんな冒険をして失敗しようとスポーツと違って怪我するわけじゃないからね。皿とて同じ。