伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

田舎暮らしの日々とガーデニング 時々ニャンコと

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ジャコシカ37

2018-05-02 23:48:41 | ジャコシカ・・・小説
 「ありがたい話しだが、突然で迷惑だろう、宿をとるよ」

 「何を言ってる。無駄遣いをしないでくれ。鉄さんにそんな真似させられるか。じゃ、それで行

こう」

 猛さんは背を向けて、早くも歩き始める。

 鉄さんはさすがに戸惑いを隠せず、高志の顔を見た。

 そんな鉄さんを振り返って、猛さんは強引に急かした。

 「ちょっと待ってくれ」

 意を決して言った鉄さんは、急に岸壁の船着場に向かって駆け出した。

 待つ間もなく鉄さんは、ガンガンを肩に戻ってきた。

 「何だいそれは」

 猛さんは遠慮なく尋ねる。

 鉄さんは床に置いたガンガンの蓋を取った。

 中には今朝獲った、ソイとアブラコとカジカが入っていた。

 「今夜はこいつで一杯というのはどうだい」

 「こりやぁいい。皆喜ぶ」

 猛は相好を崩した。

 赤間の家までは20分足らずだった。

 7、8分で低い家並の市街地を抜けると、後は見渡す限りの雪野原で、遠くに点在するトタン屋

根の一軒が赤間家だった。

 「ここらは皆畑だ。田圃(たんぼ)はあまり無い。豆やじゃが芋、南瓜、それに葉物も多い。種類は多いが

小規模だ。だからこまめに年中忙しい」


コメント
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