「私も行きます」
清子がめずらしく力をこめて、きっぱりと言った。
「春は裏山で山菜採り、夏は釣りに貝採り、お前達が子供の頃は良く行った。久し振りに今年は
皆で押しかけるか」
猛も懐かしそうに言った。
正月だから寄って行けと言う、猛の誘いを鉄さんは断った。
「今日の内に帰らないと、明日は荒れそうだ。汽車では今はあの坂道が歩けないので無理なんだ。
もう少こし寒さが弛んで雪が減ってから、お邪魔させてもらいます」
「船しか足は無いからなあ」
猛は残念そうに言った。
「離れ小島と同じさ。お天気次第海次第だけれどどうと言うことはない。それはそれで悪くない
ものだよ」
「退屈ではないのですか」
千恵が少こし不安気に言った。
「退屈だと思ったことはないね。いいもんだよ何もやることが無いということは。それにこっち
が黙っている分、周りは大騒ぎに騒いでいる。
唸ったり吠えたり、怒鳴ったり叫んだり、聞いているだけで楽しくなる」
「そうなんですか」
千恵は大いに感心している。
「で、入江のお兄さんもそうなんですか」
「おおむね、そうなんです」
清子がめずらしく力をこめて、きっぱりと言った。
「春は裏山で山菜採り、夏は釣りに貝採り、お前達が子供の頃は良く行った。久し振りに今年は
皆で押しかけるか」
猛も懐かしそうに言った。
正月だから寄って行けと言う、猛の誘いを鉄さんは断った。
「今日の内に帰らないと、明日は荒れそうだ。汽車では今はあの坂道が歩けないので無理なんだ。
もう少こし寒さが弛んで雪が減ってから、お邪魔させてもらいます」
「船しか足は無いからなあ」
猛は残念そうに言った。
「離れ小島と同じさ。お天気次第海次第だけれどどうと言うことはない。それはそれで悪くない
ものだよ」
「退屈ではないのですか」
千恵が少こし不安気に言った。
「退屈だと思ったことはないね。いいもんだよ何もやることが無いということは。それにこっち
が黙っている分、周りは大騒ぎに騒いでいる。
唸ったり吠えたり、怒鳴ったり叫んだり、聞いているだけで楽しくなる」
「そうなんですか」
千恵は大いに感心している。
「で、入江のお兄さんもそうなんですか」
「おおむね、そうなんです」