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象徴のうた・・・平成という時代

2019-04-05 20:36:25 | 俳句 短歌
 昨日の室蘭民報より

 歌人で細胞生物学者の永田和宏氏のエッセイをリライト


 オックスフォードのわが学び舎に向かふ時
  
 ゆふべの鐘は町にひびけり

              平成15年 皇太子


 1984年から2年間、私は米国国立がん研究所で客員準教授として働いていた。

85年10月のある夕べ、ワシントンDCのケネディセンターで小澤征爾指揮のボストン交響楽団

の演奏会があった。

 途中休憩の前だったか、全員が立ち上がり拍手を始めた。

 皆が後を見上げ拍手していたその先には、現皇太子殿下浩宮さまがにこやかに手を振っておられた。

83年から85年にわたる、英国オックスフォード大学での留学を終えての帰途、米国に立ち寄られた

のであった。

 世界で活躍する小澤征爾が舞台に立ち、その小澤とともに、客席の全員が拍手で日本の次の皇太子を迎える。

私自身がアメリカという異国で、どこか世界と対峙するような気負いを持って仕事をしていたからだろうか、

この拍手に強い誇らしさを感じたことだった。

 浩宮さまは大学院に入学され、18世紀におけるテムズ川の水運について研究され、留学生活については

「テムズとともにー英国の2年間」に淡々と、しかしいきいきと語られている。


 「父母に」と献辞のあるを胸熱く

 「テムズと共に」わが書架に置く

         
            皇后 平成5年


  


    
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