退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

泣かないで、花を見なさい

2014-09-26 06:05:39 | 韓で遊ぶ

神との約束
人間に強い不満を待っているオス豚が1匹いた。彼は豚が人間のためにただの肉の塊として処理されると言う事実に対していつも不満に思っていた。
「私たちにも霊魂がある。霊魂があるんだ。」
彼は同僚の豚たちが人間の手でと殺される度に泣いた。
人間は彼の泣き声に対して何の関心も持たなかった。人間はメス豚との交尾が必要な時だけの彼に関心を寄せた。彼は種豚だった。人間にさせられるがままに人間が見ている前でメス豚とセックスをして怒りの涙を流す種豚だった。
どうすれば人間の手から逃げ出せるか。どうすれば人間を破滅させ豚らしい暮らしを生きることができるか。
彼は長い間、そんな考えて日々を送った。しかし、これと言っていい方法がなかった。ただ、人間がくれる飼料を食べて、豚小屋の中に閉じ込められてブーブーとなきながら人間に対する憎悪心を大きくしながら生きるしか道がなかった。
そんなある夏の日のことだった。強い雨風が吹いた。木が根こそぎ倒れあちこちで人間の家が流された。豚も小屋から抜け出して水の中に流された。
オス豚はやっと天が人間に罰を与えたと思って勢いよく流れる黄土の混じった水の中を楽しげに泳いだ。
だが、どんなに泳いだだろうか。体の力が抜けた彼は水に流され始めた。どんなに泳ごうとしてもこれ以上手足が言うことを聞かなかった。息をするたびに口の中に水が入って来て気が遠くなった。このまま死んではならないと目の前の木の枝をつかんだがすぐに離してしまった。流されていく家の屋根の上に上ってみたがそれもちょっとの間だけのことですぐに急流に押し流された。水の流れは速かった。どこに流れていくのかわからなかった。周囲には暗闇が押し寄せて来はじめた。目の前に死の影がちらついた。
「助けてください。神様。助けてくれたら人間を憎まないで暮らします。いいえ、人間のために生きます。約束します。どうか助けてください。」
彼は神に懇切にすがった。かすかな意識の中で生きたいと考えしか浮かばなかった。
その時向こう側の坂の上にいた一人の青年が強い水の流れに逆らって来て彼を救い出してくれた。
「ありがとうございます。神様。あなたとの約束を必ず守ります。」
彼はひれ伏して神に感謝した。
その後、彼は年老いて種豚としての役割を終えるときまで青年の家で暮らした。そうして死んでは、神との約束を守るために青年の家の祝いの膳を飾るのに置かれた。
今も私たちが祭祀を執り行う時に豚の頭を膳の上にあげるのはそのオス豚が約束を守り続けているからだ。
コメント
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