
リスの糞
暑い夏が過ぎて秋になると、クヌギの木の森に暮らすシマリスはひどくおなかが空いた。
「今頃はどんぐりがたくさん落ちているのに、何でどんぐりが無いんだ。」
リスはどんぐりを探してあちこち森の中を回った。だが、どんぐりは簡単に見つからなかった。
「お母さん、おなかが空いた。人々が私たちの秋の食料を持っていきます。」
木の根元の間に誰が掛けておいたのかこんな文章が書かれた垂れ幕が目に入った。
「今年も人が先にどんぐりをたくさん拾ってしまった。」
リスはそれでもそんな垂れ幕を掛けておくほどリスを心配してくれる人々がいるようだと思って空いていたおなかが一杯になってくるようだった。
しかし、そうではなかった。木の上に上がってあちこち四方を眺めると、垂れ幕がかかっているその木の下で人々が大きなザルに拾って入れていた。
「あなたたちはこの垂れ幕も見えませんか。なぜ私たちが食べる食料をあなたたちが皆持っていくのですか。」
リスは怒って大声を出したが人々は聞く振りもしなかった。
リスは仕方なく人々が帰るのをしばらくの間待ったが、人々が拾えるだけのどんぐりを拾って食べた。
「人々が拾う前に私がたくさん食べないと。」
夏のうちにおなかが空いたリスはおいしくどんぐりを食べた。
「うん、二人で食べていて、一人が死んでもわからないぐらいだ。本当においしい。」
リスはどんぐりがあまりにもおいしくて、日が暮れて夜空に月が出たことさえ知らないでいた。
どんぐりをおなか一杯に食べたリスは静かな月の光の下で大盛りのウンチをした。
「あれ、これは一体なんだ。俺がウンチになったじゃないか。」
リスのウンチは出てくるとすぐに自分がウンチになったことを見て大きく叫んだ。
「あれ、何で、よりによって何にも使えないウンチとしてこの世に生まれてきたんだ。」
リスのウンチはウンチとして生まれた自分が非常にいやだった。
「少し待っていて、来年になったらきれいな花として生まれたらどんなにいいか。」
リスのウンチは不満に満ちた声で独り言を言い続けた。
「あれ、これは何の匂いだ。これウンチの匂いじゃないか。わぁ、汚い。」
その時、向かい側の尾根から涼しい風が吹いて落ち葉がリスのウンチの傍を離れた。
「行かないで。俺と一緒に遊ぼう。俺は汚くない。」
リスのウンチは一人でいるのがいやで去っていく落ち葉について行った。すると落ち葉は風につれられてもっと遠くに行ってしまった。
リスのウンチは自分をウンチに生まれさせた神様が恨めしかった。
秋が深まった。山全体のもみじが赤く染まった。子供もみじも、老人もみじもうちわもみじも皆赤く染まった。
クヌギの木の前の町にあるもみじの木はプロペラのような小さなもみじの種が、中でとても丈夫に熟していた。
「風が吹いたら森の外のとても遠いところまで飛んで行かなきゃ。」
もみじの種は飛行機のように遠いところまで飛んで行きたかった。
とうとうその日が来た。もみじの種は飛行機のプロペラが回るようにぐるぐる回りながら人の手のひらのように見える母の胸をすっと落ちて出て行った。
「遠くまで、遠くまで飛んでいかないと。この森の中はとても息苦しい。」
もみじの木の種は自分がまるで飛行機にでもなったようで楽しく飛んでいった。
しかし、遠くに飛んでいくことができなかった。涼しく吹いてきた風が止まるとそのまま近くのクヌギの木の森の中に落ちてしまった。それもリスのウンチの上に落ちてしまった。
「わぁ、気分悪い。なぜよりによってウンチの上に落ちたんだ。本当についていない。」
もみじの木の種はもう一度遠くに飛ぶために体を力いっぱい動かした。しかし、これ以上飛ぶことはできなかった。
風も吹かなかったが、ウンチの中に深くはまってしまって飛ぼうにも飛べなかった。
「神様はなぜ私にこんな苦痛を与えるのだろう。」
もみじの木の種もリスのウンチのように神をうらんだ。
すると、リスのウンチが口答えをした。
「そうだ、俺もそうだ。よりによってウンチとして生まれて、何だこれは。」
「そうだ。他にもいいところが一杯あるのに、よりによってなぜウンチの上に落ちたんだ。」
彼らは互いに神様を恨んで話をした。
冬が来た。ぼたん雪が降った。彼らは互いにひとつの体になって雪の中に埋もれて寒く長い冬を送った。
春になった。リスのウンチに青い目が出た。もみじの木の種がリスのウンチを食べて芽を出したのだ。
「はは、私も役に立つ。神様は私を苗床として俺をウンチに生まれさせたのだ。」
「ははは、栄養が多い君を食べて芽をよく出すように神様が私をウンチの上におろしてくれたのだ。」
リスのウンチともみじの種はかげろうが揺れる春の野原が過ぎるようにひとしきり笑った。