退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

울지 말고 꽃을 보라

2014-09-06 05:28:47 | 韓で遊ぶ

生命の力
寒い冬の午後、彼女は窓を開けて家の掃除をしていたらある男からの電話を受けた。男は10余年前に別れた、一時は熱烈に愛した男だった。彼は母が亡くなってちょっと帰国したと言いながら会って茶でも飲もうと言った。
彼女は小さく震える手で受話器を置いた。胸がどきどきした。彼女は着る服が気に入らず鏡の前で何回も服を着替え、スラックス姿であわてて家を出た。
街にはみぞれが降っていた。
彼女はあまりにもあわてたせいで部屋の中の窓を開いたまま家を出てきたことをすっかり忘れていた。
男は30代後半の少しさびしそうな、重厚だが前よりは少し年をとった姿だった。母を失ったことが彼をより寂しく憔悴しているように感じさせた。
みぞれがぼたん雪に変ったからだろうか。お茶だけでは二人の時間はあまりにも短かった。彼女は彼を慰めるのを兼ねて以前一緒に行った、新村のカフェに寄って酒を飲んで夜遅く家に帰った。
家の中にはとても冷たい空気が漂っていた。それに窓の近くに置いたあった金魚鉢の水がカチカチに凍っていた。金魚も動く気配が全く無かった。
「あらまあ、どうしましょう。」
彼女はあまりにも驚いてすぐに家の空気を暖めてストーブの近くに金魚鉢を置いてシャワーをした。
彼女がシャワーを終えて出てくると金魚鉢の水は融けていた。そして驚くことに金魚もまた悠々と泳いでいた。
コメント
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