
待つこと
ジェジュ島のマンジャン窟の中を入っていくと大きな石の瓶が一匹出てくる。人々はその亀の背の形がチェジュ島とよく似ていると言って亀の周りに囲いをしてとても大切にしている。
ある日マンジャン窟を見物に行った一人の詩人が亀になぜ海で暮らさないでこうやって洞窟の中で一人で暮らしているのか聞いた。すると、石の亀が悲しい目をして詩人に言った。
「私は元々愛する家族とともに海で暮らしていました。ですが、ハンラ山で火山が爆発したために溶岩に巻き込まれここまで流れてきたのですが、海の水は抜けて行って私だけが残ってこんな石の亀になってしまいました。ですが、私は今でもあきらめないでいます。いつかはマンジャン窟にもう一度海の水が流れて入って来て、私がまた海に泳いで行ける日を待っています。私はまだその待つことをあきらめたことがありません。」