退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

泣かないで、花を見なさい

2014-09-01 06:51:07 | 韓で遊ぶ

世の中で一番美しい山
神様が天地を作ってから7日目だった。神様は疲れて朝早く起きることができなかった。6日間に天と地を作り、昼と夜を分けて、すべての鳥と動物を作るためにあまりにも疲れた。そして昨日は一日中自分の姿と同じアダムとイブを作るために他の日よりももっと疲れた。
神様はさっと起き上がろうとしたがそのまま、横たわった。今日一日だけでもゆっくりと休みたいと思って、横になったままじっと天地を見ていた。
「光あれ。」と言ったので、できた朝の日が海の上に上っていた。鮮やかな日差しの中で動物があちこちで草を食んでいて、鳥が空を飛んでいた。遠くにアダムとイブがエデンの園で手をつないで仲良く川辺を歩いている姿が見えた。
「本当に美しい世界だ。」
神様は口元に満足した微笑を浮かべてしばらくの間世界を眺めていた。そうするとそのままうとうと、いびきをかきながら深い眠りの中に落ちていってしまった。
「神様、神様、眠っていますか。ちょっと起きてください。あの、質問がひとつあります。神様がなぜ私を作ったのか気になります。アダムのあばら骨のひとつを取り出して私を作ったそうですが。」
神様は今日一日安らかに休もうと思ったのは間違いだった。エデンの園からイブが訪ねてきて神様を揺り起こした。
「それは、、、私がお前を愛しているからだ。」
神様がもっと寝ていたかったがゆっくりと目を開けてイブに向って微笑んだ。
「私を愛しているからですって。」
「そうだ、まさにその愛のためだ。」
「愛が何ですか。私は愛が何だかわかりませんが、、、、」
「まだわからないだろう。ならばお前の心を一度ゆっくりと眺めて見なさい。お前が私に似ていないか。愛と言うのはこうやって互いに心が似ていくことだ。」
朝の日はいつの間にか中間にぐっと上がってきて山と海をもれなく照らしていた。神が作った世界はあまりにもまぶしく美しかった。その中でも霧に包まれたまま、雲の上にすっと突き出した山が一番美しかった。
「神様に、私にもあのように美しい山をひとつ作ってくれといわなきゃ。」
イブは、今また眠り始めた神様をもう一度揺り起こした。
「神様、私お願いがひとつあります。」
「ほほ、今度は一体なんだ。」
「神様は私を愛していると言ったでしょ。」
「そうだ、愛している。」
「そうならばですね、世の中で一番美しい山をひとつ作ってください。」
「ほほ、急にどういうことだ。」
神様はイブが2回も眠りを妨げたのに怒るどころかはじめよりももっと優しい声で言った。
「エデンの園よりももっと美しい山をひとつ作ってください。私はその山にも住みたいです。」
「さて、私が今まで作った山の中からひとつ選んだら。」
「いいえ、私のために新しくひとつ作ってください。そうすれば私が神様の愛が何だかわかるようで。」
「ほほ、欲深い、、人は欲が多くなれば不幸になるものだ。」
「だけど、それが私の願いです。」
「それが本当にお前の願いなのか。」
「はい、神様。」
「ならいいだろう。今日すぐに作ってやろう。だが、次からは絶対にそんな欲を出してはだめだぞ。」
神様はゆっくりと起き上がり、地球のそばに近づいた。そして一日中少しも休まず頂上が1万2千にもなるこの世の中で一番美しい山をひとつ作った。
後に、地球の上で限りなく多くの人々が暮らすことになった時、人々はその山を“金剛山”と呼んだ。
コメント
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