モモイロインコ(Eolophus roseicapillus) Galah
この平原を歩き始めてどのくらい時間が経っただろう。
草丈の低い地面の上を歩いているインドハッカやツチスドリを横目に、まばらに生えた木の中で遊ぶアオツラミツスイの幼鳥や1羽で居るのが好きなモリショウビンを見ていたら、いつの間にか灼熱の日差しは柔らかな西日に変わっていた。
ここで、私を手招きで呼んでくれた友人には感謝しなければならない。
「多分そうだと思うけど」
言われて100m先の、平原の中で唯一白い花が咲いている区画を双眼鏡に入れると、何やらピンク色の塊が2つモゾモゾと花畑の中で動いているのが見えた。
私は思わずその場で飛び上がってしまった。モモイロインコだ!
少しは近づきたいと、まばらに生えた木を盾に尾行している怪しい人みたいになってこの2羽のモモイロインコに少しずつ接近する私達であったけれど、モモイロインコはそうでなくても大して人を警戒しない性格みたいで、花芽を夢中でついばんでいた。
この出逢いは本当に運がよかった。
モモイロインコは普通ならば沿岸から300kmほども内陸に行かなければ見られないところである。
パプアオオサンショウクイ(Coracina papuensis oriomo) White-bellied Cuckoo-shrike
モモイロインコを見た後、平原を引き返し始めた私達であったが、鳥の出現がなかなか移動を許してくれない。
トビ(M.m.affinis)が音も無く上空を通過したり、ヨコフリオウギビタキが逃げる飛び虫を本気で追い掛け回していたり。ゴシキセイガイインコ達は塒に帰るために鳴きながら小群で飛んで行った。
また、すぐ近くに来たパプアオオサンショウクイは比較的乾燥した疎林が好きなようで、毎度同じような環境で目にするものだな、と思う。
レンジャクバト(Ocyphaps lophotes lophotes) Crested Pigeon
レンジャクバトは、光の当たり具合によっては下の写真みたいにとんでもない「2色」が見える。
メガネコウライウグイス(Sphecotheres vieilloti flaviventris) Australian Figbird
赤いメガネをかけたみたいなメガネコウライウグイスの雄。派手な雄と、褐色の体に無数の縦斑がある地味な雌で数羽の小群を形成して行動していることが多いみたいだ。
今夜から泊まるGranite Gorgeキャンプ場は、少々分かりにくい場所にあるために、暗くなってから探し始めたのでは迷いそうだと思った私達は、日暮れ前には鳥見を切り上げた。
地図と睨めっこをしながら何度か間違ったオフロードに入っった挙句、やっとG.G.キャンプ場に着く頃には辺りは相当薄暗くなっていた。
夜に少しキャンプ場内を歩いてみたけれど、3歩ごとに1匹出現するオオヒキガエルの他には特に何も見つけられなかった。
けれどこのキャンプ場は設備がいい。洗濯機があったから、これまでにたまった洗濯物を一掃してやった。持ってきたジャパニーズ・洗濯紐を得意げに木に回して物干しにした。いかにもキャンプしてます、といった感じの見た目である。
【2010/03/06/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】