ニオイネズミカンガルー(Hypsiprymnodon moschatus) Musky Rat-kangaroo
この原始的な形態をとどめたカンガルーは、1属1種からなる最小のカンガルーである。
ヒクイドリが去った森には、またどこからともなくヤブツカツクリやキンバトが出現し、そしてニオイネズミカンガルーも現われた。ツパイのように林床を歩いてきて落ちていた果物の欠片をリスのように両手で持って食べ始めたニオイネズミカンガルーは、私が動かなければすぐ近くまで餌を探しにやってきた。
この生き物を見た辺りから、私達の思考回路はどうにかなってしまったようだった。
街を歩く時にはこのニオイネズミカンガルーの鳴き声の予想・妄想について、果てしなく不毛でくだらない会話を続けてはただケラケラと笑っていた。
【2010/03/10/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】