以下、上記リンクに掲載の紹介文(ママ)====
家族の崩壊を描き、サンダンス映画祭で話題となった人間ドラマ。
感謝祭の週末、ウォーレン、ミア、ジェイク、リーの4人兄妹が3年ぶりに両親の家に帰って来る。兄妹はそれぞれ悩みを抱え、父ハルは自分の独善的な態度が子供たちとの間の溝を深めたことを感じている。
しかし、久しぶりに再会した家族はわだかまりを抱えたまま、やがて時間は過ぎていき……。
===引用終わり。以下補足。
家族の崩壊、、、ってほどの話か、これ。確かに、親父はヘンな男ですが。
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ヴァルタン出演作ってことで、VHSをアマゾンにて1円で購入し、見てみました。何気に豪華キャストだし。
冒頭の内容紹介の補足にも書いたけれど、家族の崩壊ってほどのことではなく、単にみんな勝手にバラバラなだけ(な気がする)。いや、それ以前かも。子が大人になって自立していけばどこの家庭も似たり寄ったりじゃ? こんなんで「崩壊」とか言っていたら、世の中、崩壊家庭だらけだと思うんですけど。
まず、この4人の兄弟姉妹の構成がハッキリ分からないんです。多分、ミアが長女で1番上、ウォーレンが長男で2番目、ジェイクが二男で3番目、リーが二女で4番目、なんではないかと。ミアだけがえらく年の離れた姉みたいに見えましたが・・・。もしかすると、ウォーレンとジェイクは反対かも・・・。ま、どっちでも大勢に影響はありませんが。でもって、ウォーレンとジェイクは学生かな? ミアは研究者っぽい。リーは不明です。
序盤から、この兄弟姉妹は皆ちょっとヘンだというのが分かります。比較的マトモになのはリーかなぁ。ミアとジェイクにはそれぞれ恋人がいて連れてくるのですが、それを知った父親は渋い顔で「サンクス・ギビングくらい家族水入らずで過ごしたかった」などと言ってヘソを曲げている。家族水入らずでないと、息子や娘たちと向き合うことができない「何か」があるらしい。
しかも、ミアもジェイクも、実家に帰ってくる途中で恋人とセックスしてるんですよね。ミアは電車の中で、ジェイクは野外で。ミアなんか真っ最中のところを、リーに車窓の外からしっかり見られているという、、、。なんじゃこりゃ、な序盤。
なんつーか、こう、奥歯に物が挟まったみたいな映画です。この家族は誰もが皆、言いたいことをストレートに言わずに探り合っている感じがするのです。でも、間違いなく傷つけ合っている。傷つけないように探り合っているんじゃなくて、探り合いながら傷つけ合っているのが、何とも気持ち悪い感じです。
ただ、ウォーレンと父親の間には決定的な軋轢があるので、この2人については、父子関係が崩壊しかかっているとは言えるかも。序盤からそれを匂わせるセリフ「ダフネのことがあってから3年・・・」というのが何度か出てきます。その軋轢とは、、、
ダフネは、ウォーレンの元カノです。3年前、ウォーレンの親父は、ホームパーティの最中に成り行きでダフネと一瞬2人きりになったんだけど、なんと! 酔っぱらった勢いで拒むダフネを抱きしめてキスしたんですね。しかも、ウォーレンはその現場を見てしまった。見たのに、自分は驚いて固まってしまって、親父とその直後に顔を合わせたのに何もしなかった、出来なかったことを悔いていた、、、。
それが原因でウォーレンとダフネはお別れしたけど、2人とも互いに未練タラタラ。で、3年ぶりに会って、ダフネはまたウォーレン宅のパーティにやって来ます。そして、親父さんはダフネとダンスを踊り出し、ウォーレンに代われと言われてもダフネを離そうとしない(キモッ!)。で、ウォーレンに突き飛ばされる、、、。ま、当たり前だわね。今度こそ、ウォーレンは親父にしっかり制裁を加える(?)ことができたのでした。
本作の中で、家族の間の確執が明確に描かれていたのはこのエピソードくらいです。長女のミアは最初から壊れているのが分かり、その壊れた原因が、恐らくこの家族だということらしい。実家にあった本を読み始めたミアだけど、結末部の何十ページかが破かれていて、それを破いたのは親父さんだった、そしてその結末をミアは幼馴染に教えてもらうことで、少しだけ心穏やかになる、みたいな話がありまして、、、。つまり、いつも子どもたちの心を踏みにじる親父、ということなのかな、、、と。ま、分かりませんけど。
ジェイクとリーに関しては、親とは大して確執もないような、、、。母親がジェイクが進学で家を出てからなかなか帰って来ないことを悲しむシーンがあるけど、そんなの別によくある話でしょ。
親父さんが独善的って、、、ああいうのは独善的じゃなくて、ただの勝手な人、っていうんだよ。独善的な人ってのは、良くも悪くも信念があるから。あの親父にはそんなの感じられない。父権にしがみついているだけのオコチャマ親父です。
しかし、もっと謎なのは、母親です。どういう女性なのか、本作の描写ではさっぱりわからん。ただいるだけ。家族を描くのに、母親の描写が弱くては面白くないでしょ~。家族の肖像なんて、ある意味、母親のカラーがそのまんま出るんだから。ま、そういう母親の影が薄い家族、ってことなんでしょうけどね。映画としては失敗ですよね、その設定は。
それなりの作品ぽく思ったのに、ここまで世間で認知されていない理由は、見てみてよく分かりました。なんちゃら映画祭で話題になったとかですが、そんなのただの宣伝文句でしょう。壊れた長女と、父と長男の葛藤、というそれっぽいネタを配置しただけの、雰囲気映画です。心に迫るセリフも映像もありません、残念ながら。
しょうもない親父を演じていたのはロイ・シャイダー。『ジョーズ』のインパクトが強いですが、本作ではキモいオッサンでした。影の薄い母親はブライス・ダナー。グウィネス・パルトローのお母さん。よく似ていますが、お母さんの方が断然美人です。壊れた姉はジュリアン・ムーアでピッタリ。壊れているだけの魅力のない役だったのがもったいないかな。
肝心のヴァルタンはジェイク君。恋人とセックスばかりしていました。この恋人がかなり性格悪そうな肉食系で、、、。ジェイクは「本気で愛していないかも」なーんてウォーレンとしみじみ語っているシーンもありましたが、終盤、結局「I love you」なんつってましたけどね、ベッドの中で。まあ、出番は結構多かったけど、役どころとしてはイマイチですね。こっちとしては、その美貌を拝みたかっただけなので、ゼンゼン良いんですけど。
なんか、文学作品気取りのヘンな映画でした、、、ハイ。
ヴァルタンさえ見られたらそれでいいのさ~
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