主人がお帰りなさいと迎えたのでただ今と返す。
毎夏の事だから自然と出るな。
客は外国人が15名程もいて驚く。
下山日に風呂を入りに行った「白樺荘ユースホステル」は殆どいなくて
山屋でない客が多く、完璧に棲み分けている感じだな。
その夜は8人部屋に半分の4人と空いていたが、
9時近くに入ってきた中年男性が○○さんじゃないですか?
と俺の名前を呼ばれたが一瞬???
何と久住のミヤマキリシマを見に行って坊がツルの小屋で一緒になり、
二日市まで車に乗せて貰ったO氏だった。
彼は直ぐに分ったのに思い出せなかった俺は大分脳の皺が減っているらしい。
その後に一度このユースで会っていたから3度目。
こんな事もあるんだよなあ。
白雲の小屋でも札幌在住のオジンに再会したし世間は狭い。
O氏は白雲の小屋でテントを張りヒサゴの小屋に向かったが、
雨で大変でなかったろうか?
結構な数のパーティーが向かっていたから小屋は地獄だったかも。
さてスーパー爺さんだなあ。
北海岳直前に出てきたキバナシオガマを撮った後追いついた爺様に、
花の名前を訊かれて教えてやった。
ふと見たら道を外して撮っていたから、
道から撮らないと駄目だぞ!と注意した。
山頂で休んでたらその爺様が写真を撮ってくれと。
撮ってやったら上手く撮れてると喜んでいた。
格好を見るとみんな新品でおまけにブランド品ばかりだよ。
やり初めか超ベテランのどっちかなんだが、
テントを背負っているんだから後者くさい。
俺が先発して暑くなり一枚脱いでいたら追いつかれ、
爺様も暑いとかで服の調整。
その時に「73歳だがガンの手術をした後で体力が落ちてる。
本当ならトムラウシまで行きたかったが台風で止めた」との事。
結構な荷物を担いでいてゆっくりでもちゃんと歩いているんだから、
「これだけ歩けるんだから10年は大丈夫だよ。
頑張って山歩きして長生きしてくれよ」と返したら何だか喜んでいた。
栃木の爺様でやっぱり20歳の時から山歩きしているらしい。
北海道の山をやるからと皆新品を誂えたらしいが、
ザックがGregoryのでおまけに新作とかで4万超だと。
総額10万は超えてるかもだが、何か思う事があったのかもな。
のろいがしっかりした歩き出し大丈夫そうだから、
予定通り裾合平へ向かい別れたのだった。
元気であちこち歩いて貰いたいなあ。
しかし、俺が73歳でテントを背負ってここを歩く姿なんて
とても想像できないが凄い爺様だな。
今回はこの二つのビックリ出会いがあったが、
必ず色んな出会いがあって泊まりの山は面白い。