米政府は新型ウイルスによる肺炎が最初に報告された中国湖北省武漢市にチャーター機を
又、ダイアモンドプリンス号米国人乗客をチャーター機で退避させた。
チャーター機については 下記★
機番N710CK
機番N716CK
747-400F(747-4B5F)
小生が出会した
昔 関空に飛来したジャンボ
カリッタ エア Boeing 747-400 (N740CK)
★窓なかったアメリカの新型コロナ救援チャーター機 飛ばした「カリッタ航空」とは?
2020.02.21 乗りものニュース編集部
新型肺炎の集団感染が確認されたクルーズ船、そこにいたアメリカ人が「窓のない救援チャーター機」で、羽田空港を発ちました。
機体は「カリッタ航空」という会社のものですが、どのような航空会社で、なぜ引き受けたのでしょうか。
クルーズ船乗客救援機「窓がないジャンボ」が選ばれたワケ
アメリカ政府は、横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」において新型コロナウイルス集団感染が確認されたことを受け、
同船に乗船していたアメリカ人旅客救援のためのチャーター機を手配、同機は2020年2月17日(月)に羽田空港を飛び立ちアメリカへ向かいました。
チャーターされたのは、2機の「ジャンボジェット」ことボーイング747型機でした。
そのうち1機は、羽田空港ではあまり見かけることのない白ベースに赤と金のラインが入ったもので、
もう1機は真っ白な胴体のものです。
これに加え2機とも、コックピットやアッパーデッキ(2階席)の一部を除き窓のないものでした。
画像:カリッタ航空のボーイング747型機。元JALの「JA8171」
実はこの「ジャンボ」2機は、アメリカの貨物専門航空会社「カリッタ航空」が保有しているものです。
つまりこれらは普段、航空貨物を運び、人を運ぶことはまれなので、窓が取り払われているのです。
今回のフライトは、この機内に仮設の座席を配し実施されたそうです。
貨物機での運航となった理由について公式的な見解は明らかにされていませんが、現地メディアなどの報道によると、
機体の構造から乗客とパイロットなどの乗務員を完全に隔離することができるためという説が濃厚です。
なお、カリッタ航空のこのようなチャーター便は、武漢からアメリカへも運航されています。
とはいえ貨物航空会社であれば、フェデラル・エクスプレスやUPSなど大手の同業他社がアメリカにはあります。
このカリッタ航空が、なぜこのチャーターを引き受けることとなったのでしょうか。
ユニークな側面を持つカリッタ航空が関わったワケ JALとの関わりも
このカリッタ航空は、通常の貨物航空会社とは異なり、少し特殊な輸送業務を担うことがあります。
アメリカ軍と契約を結んでおり、同空軍の部隊のひとつ、航空機動軍団のチャーター輸送を請け負うといった面も持ち合わせているのです。
そのため日本でも、定期貨物便を運航する成田国際空港や中部国際空港のほか、横田基地や嘉手納基地にも飛んでくることがあります。
今回のチャーターは救援のための輸送的な側面が大きく、行き先もアメリカの基地でした。
このことから、軍との関わりが深い同社が担当したと見られています。
JALとのコードシェア初便となったカリッタ航空のボーイング747-400F型機(2019年8月、乗りものニュース編集部撮影)
なお同社のコンラッド・カリッタCEO(最高責任者)は、アメリカでは「伝説のドラッグレーサー」として知られているそうで、
1967(昭和42)年に自らセスナを操縦し、クルマの部品を輸送したことから航空貨物輸送業を始めたといいます。
この事業を拡大し、アメリカン・インターナショナル・エアウェイズを設立、1997(平成9)年に同社を退社したのち、
新たに設立したのがカリッタ航空です。ちなみに、航空機と管制官で使われる航空会社の名称「コールサイン」は、
同社CEOの愛称である「コニー」です。
また、カリッタ航空は2019年より、JAL(日本航空)グループの9年ぶりとなる貨物便運航再開にあたり、
コードシェア(共同運航)のパートナーを務めています。その初便のフライトを記念したセレモニーでは、
カリッタ航空の日本代理店がカリッタCEOのメッセージを代読し、
同CEOが初めて購入した「ジャンボ」ことボーイング747型機は、元JALのものであったと明かしました。
2020年2月現在も、カリッタ航空は元JALの「ジャンボ」を保有しており、退役したJAL「ジャンボ」の再就職先のひとつとなっています。
完
カリッタ エア 概要
カリッタ航空(英: Kalitta Air)は、アメリカ合衆国ミシガン州に本社を置く貨物航空会社である。
アメリカ輸送軍航空機動軍団によるチャーター便を数多く運航しており、在日米軍横田基地、嘉手納基地にも運航されている。
2019年3月、日本の国土交通省から外国人国際航空運送事業の経営許可を受け、3月31日より貨物定期便を運航を開始した。
保有機材
2019年3月現在
ボーイング767-300F : 8機
ボーイング747-400F : 26機
◉別の記事
アメリカ人クルーズ船乗客の“救出チャーター便”が羽田空港に降りたったワケ
横浜港周辺に停泊しているクルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号から2月17日朝、アメリカ人乗客の一部がアメリカ政府のチャーター便で帰国の途に就いた。乗客たちは自衛隊が運用するバスで羽田空港に向かい、2機のチャーター機に分乗。アメリカ到着後は武漢市からの避難民と同様に、米軍基地内で14日間の検疫措置を受けることとなる。
「羽田空港に飛来したのは米カリッタエアのB-747貨物機。機内では金属むき出しの床にエコノミークラスのシートが臨時で取り付けられており、飲食物はクーラーボックスに入っているものを各自が摂る方式。乗客同士は握手など肌が直接触れる行為を禁じられています。2階のコックピットと乗客のいる貨物室は完全に隔絶されており、乗り降りのルートも別。乗務員に感染が及ばないよう、同貨物機が選ばれたのでしょう」(飛行機事情に詳しいトラベルライター)
そのチャーター機に関してネット民からは「なぜ羽田空港に?」との声もあがっている。カリッタエアでは普段から米軍チャーター機として日本の米軍基地にも飛んでおり、横田基地への飛来経験も豊富。それならアメリカ政府がコントロールできる横田基地を利用するほうが都合が良さそうだ。そこをなぜ、世界でも最も忙しい空港の一つに数えられる羽田空港を利用したのだろうか?
「最も重視されたのは、移動経路でしょう。横浜港から羽田空港までは23キロほどと近いうえ、経路のほとんどが首都高速道路なのでほぼノンストップでの移動が可能。深夜なら移動には30分もかからなかったはずです。それに対して横田基地までは最短ルートでも55キロ以上ありますし、同基地が高速道路から離れた場所にあることから、けっこうな距離の一般道を走る必要もあります。それゆえ感染防止を含めたトラブル防止の観点から、最も迅速に移動できる羽田空港を使うのは理にかなった話です」(前出・トラベルライター)
乗客を運んだバスはチャーター機に横付け。旅客ターミナルは利用しておらず、そこでも感染防止に配慮した形だ。ただ、移動距離が問題なら、横浜港から30キロ弱の厚木基地を使うという手はなかったのだろうか?
「厚木基地では、日米政府間の合意により22〜6時の発着が禁止されています。米軍の態勢を保持する上で緊要と認められる場合は例外となりますが、今回のケースは該当せずという判断でしょう。また厚木基地も高速道路からは離れており、一般道を走る必要があるため、それも同基地を除外する理由になったはずです」(前出・トラベルライター)