The Beatles Rooftop Concert (Part 1) HQ
日曜日の早朝、
中学1年生の少年は有楽町へと急いでいた。
世田谷区奥沢にある自宅から
東急目蒲線に乗り目黒で山手線に乗り換えて有楽町駅に。
有楽町駅からすぐのところにそびえ立つ日劇地下の映画館へと急いだ。
その日はビートルズの映画3本立てが封切の日だった。
「ビートルズがやってくる、ヤア!ヤア!ヤア!」
「ヘルプ」
「レット・イット・ビー」
しかし、劇場はすでに長蛇の列。
とても封切り初日1回目の上映は入れそうにない。
ガッカリしていると映画館の人が、
近くにここよりは小さいけど
別の映画館でも急遽上映することになったから
そこで良ければ観るか?と声をかけてくれた。
そりゃあもう、
お昼は銀座三越1Fのマクドナルドで
フィレオフィッシュとアップルパイを喰いながら
シェイクを呑む目論見だったので、
映画3本を午前中に見終わってしまいたい。
「そこで観ます!」
即答だった。
小さな劇場へ。
上映開始。
「ビートルズがやってくる、ヤア!ヤア!ヤア!」
「ヘルプ」
は、どーでもいいような映画だった。
アイドル&コメディ映画。
寒い。。。。。。
しかし、
ちゃんと観たのは初めてだった
「レット・イット・ビー」はまったく違った。
(小学生の時、大阪万博の英国館でプレミアム上映会を観たのです)
ドキュメンタリー映画だった「レット・イット・ビー」は、
全編生のビートルズで
バンドがアルバムを制作する時に
どんな風にリハーサルしてどんな風にレコーディングしているのかを、
つぶさに映像にしたものだった。
この当時、
そういう映画って少なかったと思うし、
少なくとも中1の彼には初めての映像だった。
映画の後半、
ビートルズのメンバーが
アップル社のビルの屋上に上がって演奏をやりだす。
「Rooftop Concert」と呼ばれている伝説のギグだ。
昼間のオフィス街で突然の大音響。
しかも演奏しているのはビートルズ。
近所のビルで働く人たちは、
みんな「なにごとか」と窓から覗き屋上に上がってきて
ビートルズが演奏をしていると驚く。
また、
ビルの下も騒然とした状況。
車を止めてビルを見上げる運転手。
不機嫌な顔をして通り過ぎていく英国紳士。
キャーキャー言い合うミニスカートのロンドンガールたち。
そして警官がやってきてビルのドアをノックしだす。
扉を開けさせた警官たちは屋上へ。
演奏中のビートルズを睨みつけながら、
まわりのスタッフたちに止めさせるように、と。
そこで、
目配せをしたジョンとポールは歌いだす。
「ゲットバ~ック!ゲッバ~ック!」
アンプの電源を切られたジョージも自分で電源を入れて
ギターを引き出す。
ポーカーフェイスでくわえタバコで淡々とドラムを叩くリンゴ。
ああ、
なんてカッコいいんだろう。。。。。。。
中学1年生の彼はウットリしながらスクリーンに観入った。
ああ、
フィレオフィッシュなんか喰わなくてもいいから
もう一度見たい。
しかし、
小さな映画館の方も外は次回待ちの客で長蛇の列。
当然入れ替えで追い出されてしまった。
フィレオフィッシュのタルタルソースと
アップルパイのカリカリしたパイ生地皮に
舌鼓を打ちながら頭は官能の世界へ。
この3年後、
高1になった青年は
平日学校をサボって行った渋谷のジョイパックシネマという劇場で
「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」の上映初日1回目を観て、
悶絶したのでした。
その時の劇場にいた観客、
4人。。。。。。
日曜日の早朝、
中学1年生の少年は有楽町へと急いでいた。
世田谷区奥沢にある自宅から
東急目蒲線に乗り目黒で山手線に乗り換えて有楽町駅に。
有楽町駅からすぐのところにそびえ立つ日劇地下の映画館へと急いだ。
その日はビートルズの映画3本立てが封切の日だった。
「ビートルズがやってくる、ヤア!ヤア!ヤア!」
「ヘルプ」
「レット・イット・ビー」
しかし、劇場はすでに長蛇の列。
とても封切り初日1回目の上映は入れそうにない。
ガッカリしていると映画館の人が、
近くにここよりは小さいけど
別の映画館でも急遽上映することになったから
そこで良ければ観るか?と声をかけてくれた。
そりゃあもう、
お昼は銀座三越1Fのマクドナルドで
フィレオフィッシュとアップルパイを喰いながら
シェイクを呑む目論見だったので、
映画3本を午前中に見終わってしまいたい。
「そこで観ます!」
即答だった。
小さな劇場へ。
上映開始。
「ビートルズがやってくる、ヤア!ヤア!ヤア!」
「ヘルプ」
は、どーでもいいような映画だった。
アイドル&コメディ映画。
寒い。。。。。。
しかし、
ちゃんと観たのは初めてだった
「レット・イット・ビー」はまったく違った。
(小学生の時、大阪万博の英国館でプレミアム上映会を観たのです)
ドキュメンタリー映画だった「レット・イット・ビー」は、
全編生のビートルズで
バンドがアルバムを制作する時に
どんな風にリハーサルしてどんな風にレコーディングしているのかを、
つぶさに映像にしたものだった。
この当時、
そういう映画って少なかったと思うし、
少なくとも中1の彼には初めての映像だった。
映画の後半、
ビートルズのメンバーが
アップル社のビルの屋上に上がって演奏をやりだす。
「Rooftop Concert」と呼ばれている伝説のギグだ。
昼間のオフィス街で突然の大音響。
しかも演奏しているのはビートルズ。
近所のビルで働く人たちは、
みんな「なにごとか」と窓から覗き屋上に上がってきて
ビートルズが演奏をしていると驚く。
また、
ビルの下も騒然とした状況。
車を止めてビルを見上げる運転手。
不機嫌な顔をして通り過ぎていく英国紳士。
キャーキャー言い合うミニスカートのロンドンガールたち。
そして警官がやってきてビルのドアをノックしだす。
扉を開けさせた警官たちは屋上へ。
演奏中のビートルズを睨みつけながら、
まわりのスタッフたちに止めさせるように、と。
そこで、
目配せをしたジョンとポールは歌いだす。
「ゲットバ~ック!ゲッバ~ック!」
アンプの電源を切られたジョージも自分で電源を入れて
ギターを引き出す。
ポーカーフェイスでくわえタバコで淡々とドラムを叩くリンゴ。
ああ、
なんてカッコいいんだろう。。。。。。。
中学1年生の彼はウットリしながらスクリーンに観入った。
ああ、
フィレオフィッシュなんか喰わなくてもいいから
もう一度見たい。
しかし、
小さな映画館の方も外は次回待ちの客で長蛇の列。
当然入れ替えで追い出されてしまった。
フィレオフィッシュのタルタルソースと
アップルパイのカリカリしたパイ生地皮に
舌鼓を打ちながら頭は官能の世界へ。
この3年後、
高1になった青年は
平日学校をサボって行った渋谷のジョイパックシネマという劇場で
「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」の上映初日1回目を観て、
悶絶したのでした。
その時の劇場にいた観客、
4人。。。。。。